山遊塾With You

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伊吹山1377mに登ってきました。

2021年07月13日 | 登山
 身内のお葬式に参列した後、帰路伊吹山に登ってきました。11日夜米原駅傍のビジネスホテルに泊まり、12日一番の電車で近江長岡駅まで行って、そこからタクシーで伊吹山登山口へ。山は半分ほどが雲の中。三宮神社の前を通って登山道に入りました。登山料300円が必要です。


登山口からいきなり杉に囲まれた登山道に入ります。登山口の標高が230mなので残りの1147mを登ることになります。伊吹山スキー場の入り口でもあるので、以前ならロープウェイで三合目まで行けたものなのに、いまはそれも無くただひたすら自分の足で登るのみです。


朝7時丁度にスタートして、杉林の暗い坂道を登ること30分で元スキー場の末端になる一合目に着きました。右手のロッヂは今も営業しているようです。ここからはスキー場の草原の中を登って行きます。
明るい草原の登りはちょっと北イタリアのチロルの山を思い出させます。


二合目辺りで来た道を振り返ると、眼下に近江平野が広がり東海道線の列車まで見えました。遠くに見えるのは霊仙山か。


三合目にはロープウエイ終点の建物やホテルが未だ建っていて、草原には数は少ないもののお花畑が広がっていました。但しこの中は山ヒルが多く、中を散策した人がヒルにやられたと嘆いて靴下をめくって見せてくれましたが、無数の吸血の跡がありました。オー恐ろしや。ここまでは登山口から1時間半かかりました。


伊吹山は花の宝庫として昔から良く知られています。その中にはイブキの名前を持つ植物が32種もあるそうです。草原には自生する花の名前と絵看板が立ててあります。昔織田信長がポルトガル宣教師に命じて、広い薬草園を作らせたと言われていて、またお灸に使うモグサはこの山で採れる良質のイブキヨモギが原料になっているそうです。


三合目から五合目まではたった15分で着きました。合目の位置決めが凄くいい加減です。スキー場はここで終わり、ここから本格的な山道に変わりました。望む山頂部は厚い雲に覆われています。


登山道は滑りやすい石灰岩の道になりました。お陰で一歩ごとに靴が滑り歩きにくいことこの上なし。天気が良く乾いた石であれば問題ないのですが。


六合目990m石造りの避難小屋が建っています。ちょっと可愛いヨーロッパの山で見かける山小屋に似ています。


内部は奇麗に整頓されていて、スリッパまで揃えてありました。ここで一泊して山頂を目指すのもいいですね。


七合目、八合目と石灰岩の滑りやすい急な道が続きます。こんな滑りやすい道は今まで経験したことがありません。渓流シューズでも履いてくれば良かったと本気で思いました。下山中に3回もスリップして尻もちを着いてしまいました。雲の中に入ってしまい眺望ゼロ。九合目を過ぎたところで防護柵に道を阻まれました。良くある鹿除けの柵と思いますが。扉を開けて入ると頂上はすぐでした。


午前10時15分山頂着。しかし山頂は雲の中。普段であれば沢山の登山者で賑わっている筈なのに今日は誰もいない。何軒もある茶店も店を閉じている。気温も下がり温かいお茶も飲みたいのにそれも叶わず。


山頂には日本武尊像が祀られていますが、作りは粗雑で威厳も何もありません。古く平安の時代から登られてきた名山であり、霊山でもあるこの山の頂にはもうちょっと格好いいのが欲しいですな。


山頂のすぐ下にお堂があって避難所にもなっています。汗もかき雨にも濡れて寒いので、中に入りシャツを着替えました。軽い食事も取ってお堂内部を観察。円空作とされる荒削りの仏像もありました。今までどれだけの人の手によって撫でまわされたのか、頭だけがツルツルになっていました。


下山して近江長岡駅のホームから、登って来たばかりの伊吹山を見ると、まだ薄い雲が山頂部を覆っていました。