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PAP-JAPAN代表、川井眞理のお仕事(以外もてんこ盛り)日誌

読書三昧

2009-12-24 | 読書
2日で3冊。
などと喜んでいる場合ではない。
他にしなくてはならない喫緊の用事があるのに、どうにもする気が起こらず読書に逃げてる有様。
そんなときに限ってハカがいく。

が、お陰で新しい認識も得た。
昔から愛読していた児童文学の『赤毛のアン』が、実は゛逃避文学゛の最たるものだったとは。

平たく言うと、アンは特異な設定の下に置かれた作品で、読者はこの本を読んでいる限り、現世のわずらわしさから完璧に守られた一種のファンタジーの世界へワープできるってことらしい。
同じモンゴメリ女史の手による『可愛いエミリー』という作品と比べると、アンの物語の特異性が際立つという。

アンに登場する背景としての男性がほとんど男性らしくない男性であり、むしろ女性の方が実力も発言権もあること(この時代にあっては極めて異質である)、アヴォンリーという村の景色を何度も褒めているにもかかわらず、アンの住むグリーン・ゲイブルスを中心にごく狭い範囲の景色描写しかないこと等々がその証拠だそうな。
他にも証拠が続々…。

分析者は児童文化が専門の学者で横川寿美子氏、本のタイトルは『「赤毛のアン」の挑戦』という。
なので私に分析手法や視点に異論のあるはずもなく、「へぇー、アンというのはそういう物語だったのか…」と感慨深いものに。
読むと気分が晴れるとは以前から思っていたが、それはとりもなおさず゛現実逃避゛の世界に読者を連れて行ってくれるからだったらしい。

この作品の立ち位置をいったん知ってしまったからには、もはや知らなかった頃の純粋さ?で読むというわけにもいかないが、今まで思いもしなかった視点を持つというのも悪くはない。

あと、『まずは小さな世界で1番になる』(江村林香著)。
これは借りたので指定日までに返さなくちゃと必死に読んだのだが、途中で自分でも持っている本なことに気付いた。
誰もが著者のような起業家になれるわけではないが、商売をする上での貴重な視点が多数示唆されていた。

もう一つ、『サラブレッドコンプレックス』。
こちらの著者は心療内科医の海原純子氏。
゛格差に負けない心を育てる゛は編集者のつけたキャッチだと思うが、人間のコンプレックス(心理)について興味深く解き明かした本だ。