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PAP-JAPAN代表、川井眞理のお仕事(以外もてんこ盛り)日誌

゛新解さん風゛職業読本(PART2)

2009-03-02 | 読書
先に書いた『すべての仕事から職業選択ALL』(自由国民社刊)には、実は真面目に見て大きな欠陥がある。

あくまでも職業(名)を知るためと割り切って本を活用するには構わないが、「その職業に就きたい」と思った場合の案内が不親切。

仮に「魔術師」に憧れたとして、このような、技術はもちろん、本人のキャラクターとしてプラスアルファが要るような職業の場合、なりにくさ、万一なれなかった場合の゛ツブシ゛の方向も示すべきではないか?

とはいえ、これはどの職業紹介本も抱えている課題なのだが。

(知人の息子さんはお笑い芸人を目指していたが何年経っても芽が出そうになく、遂に父親の助言を受けて、現在大学講師目指して勉強中。さて、どちらがなりにくいか?)

憧れだけでは就けない職業がこの世にゴマンとあることを知る過程も、また大人への一里塚かも。
そしてその代り、大人なればこそ、その職業の意義がわかる仕事も沢山沢山あるということを知るようになる(多分)。

゛新解さん風゛職業紹介本見い~っけ!

2009-03-01 | 読書
れっきとした『すべての仕事から職業選択ALL』と書かれた自由国民社発行の職業ガイド本である。
書店でパラパラと見た途端、「この本は変わってる!」と直感、即購入した。

いや、そもそも私の購入動機がおかしいのかもしれないが…。
この本がですねー、ちょっと普通じゃないのだ、笑えるネタ満載。

たとえばそれはこんな具合――。

「茶道師匠…お茶をたてるだけでなく、茶室を演出する花や器など専門知識を伝授する。就業者数は不明。定年はないので、70代・80代の高齢の師匠も多い。自宅やカルチャーで教える。許状(免状のことか?)をもらえば独立可。後略。」

(⇒はじめから70代・80代になっても現役でいることを目指して茶道教授を目指す人はあまりいないと思う。中年から茶道を教えて、結果として70代・80代になっても教えていることはあるだろうが。なぜに、ここまではっきり何歳まで働けるかを謳う?)

「踊り師匠…踊りに磨きをかけ、舞台でそれを披露することが何よりも大切な仕事。その一方で、各流派に伝わる踊りの型を、稽古を通して弟子に伝える。中略。個人営業。弟子からの月謝が収入源。舞台活動だけで生計を立てられるのは高名な師匠のみ。後略」

(⇒京都に伝わる踊りのお師匠さんが、以前踊りといったインタビュアーにすごく怒ったという話を聞いたことがある。彼女らのは゛舞(まい)゛というのだそうな。「踊り師匠」を出すなら公平を期して「舞い師匠」も出して欲しい)

まあ、一つひとつケチをつけ始めると楽しくて仕方ないのだが、そもそも職業索引名が妙に詳しかったり、粗かったりとかなりいい加減。(意図的にやっているのかもしれないが変)
それでいて、その種類の豊富さ、奇妙さは他に類を見ないほどユニークだ。

「ブリーダー(動物を繁殖させる仕事。主に犬の繁殖家を指すことが多い)」「家庭犬トレーナー」「犬訓練士」「トリマー/グルーマー(犬の美容家)」…犬関係の仕事だけでもこれだけあるのはなかなか優秀(^^)。

しかし、細分化された家庭犬トレーナーを職業として入れるなら、犬訓練士も「警察犬訓練士」「災害救助犬訓練士」ぐらいは当然分けて欲しかったな。
(実は大阪には全国でも珍しい、レスキュー犬の訓練士養成校がある)

「フィギュア作家」「パズル作家」「コンセプトデザイナー」「スニーカーデザイナー」「ディスプレーデザイナー」はどうよ?って感じで、妙に詳しい。
これを書いた人はその世界が大好きな人かも。

「鵜匠」「潜水漁師」「魚類養殖作業者」「貝類養殖作業者」、はたまた「競馬予想屋」「便利屋」「メイド」「巫女」「靴みがき人(⇒何で゛屋゛じゃないのか?)」「キャバクラ経営」「バー・マダム」「ホステス」「ホスト」「バニーガール」なんてのも。

もう好きにしてくれと叫びたくなるほど、それらはユニーク。
もちろん、「葬儀師」なんてのもちゃんとある。
発行は2008年5月1日なので、アカデミー賞受賞には関係なし。

上記、順不同で伝えているが、実はあいうえお順に職業名が紹介されていて、ちゃんと「ニート」「フリーター」もあり、「パチプロ」「デイトレーダー」などと同頁で紹介されているのがスゴイ。

別の゛仕事絵本゛には、「ホームレス」がイラスト付きで詳細に紹介されていたりして、世相を反映してか、世の中の職業感覚はどんどん変化しているのだと認識を新たにする。