「無軌道は若さの代名詞だ。だから若者の多くはまず自分の羅針盤だけを頼りに走る。そして羅針盤の粗さゆえに惑い、迷う。迷った挙句に灯台の灯を探し求める。稚拙だから迷うのではない。生きることに真摯だから迷うのだ。
この若者の灯台になれるのなら、自分を多少曝け出しても構うまい。どうせあと一年足らずで退官する身の上だ。有形であれ無形であれ、遺せるものは全て遺しておこう。」(『テミスの剣 (文春文庫)』(中山七里 著))
この若者の灯台になれるのなら、自分を多少曝け出しても構うまい。どうせあと一年足らずで退官する身の上だ。有形であれ無形であれ、遺せるものは全て遺しておこう。」(『テミスの剣 (文春文庫)』(中山七里 著))