詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

詩 蝉時雨

2010年07月18日 | Weblog
まるで敗残の兵のように
目覚めると
木漏れ日から降る一面の蝉時雨だった

いつからだったんだろうと
見上げながら尋ねても
あと数時間のいのちかもしれない蝉たちには
そんな時間などない

自転車の子供たちが
大声の競争しながら駆けてゆく
まるで
白い犬を連れた
チェーホフの奥さんたちも

この神社もまた
誰かの鎮魂のための神社
鎮魂など未来永劫必要ないという
アナキストに覆いかぶさる樹々や木漏れ陽

腐れかけた木のベンチへと
見上げる空や地を這う蟻たち
甚平の上着を枕に
パンツ一枚で寝そべってるのは
この世に生まれてきての
最高の楽しみのひとつ