先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

貿易戦争過熱、中国は再び「レアアース砲」放つ構え

2018年10月28日 10時20分13秒 | 日記
 

[香港 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国がレアアース(希土類元素)の生産に制限をかけている。レアアース業界の動向を調査しているアダマス・インテリジェンスがこう指摘している。

 
 
10月25日、中国がレアアース(希土類元素)の生産に制限をかけている。写真はレアアースのサンプル。左から酸化セリウム、バストネサイト、酸化ネオジウム、炭酸ランタン。米カリフォルニア州のモリコープ社マウンテン・パス鉱山で撮影(2018年 ロイター/David Becker)

これは、採掘が難しいこれら鉱物の過剰供給問題の対策となるだろう。一方で、海外のバイヤーが、触媒や電子機器、武器などに使われるセリウムやネオジムなどの必須原料を入手するのが困難な状況に容易になりかねない。そうなれば、貿易戦争は劇的に拡大し、企業の利幅は大きく圧迫される。遅ればせながら中国以外の調達ルートを確保しようと急いでも、遅きに失した感がある。

レアアース市場での中国の圧倒的な存在感は、同国の貿易相手国が抱える懸念の代表的なものだ。レアアースは、地球の地殻にふんだんに存在しているが、採取するのが難しい。

米地質調査所のデータによると、中国には世界の埋蔵レアアースの3割程度があり、昨年は生産量の8割が中国産だった。

米国は昨年、中国から1億5000万ドル(約168億円)相当のレアアースを輸入している。そしてこれは、安全保障のタカ派にとって心配の種だ。中国政府は2010年、ほぼ市場独占状態であることを対日関係で利用し、日本への輸出を止めている。レアアースは最新兵器にも使用されており、米国防総省は懸念を深めている。

いま再び、中国は以前使った戦略を再利用しようとしている可能性がある。アダマスによると、中国は2018年下半期の生産量を4万5000トンに減らす計画だ。これまでの過剰生産の影響を軽減する効果も一部あるだろうが、アダマスは、外国のバイヤーの取り分がほとんどなくなると分析している。

その一方で、減産により価格は上昇する。オーストラリアのライナスのような数少ない貴重な代替生産事業者には朗報だろうが、消費財の製造業者には厳しい。

中国は、相手国から譲歩を得る見返りとして輸出を行うこともできる。日本の安倍晋三首相は25日に北京を訪れているが、パナソニックやトヨタ自動車のような企業は、レアアースのコスト上昇の影響を受ける。米国企業の痛みはさらに大きくなる可能性がある。

仮に必要な経済的支援策をすべて講じたとしても、新たな鉱山をよそに開設するには何年もかかる。中国政府の要求は、通りやすくなるかもしれない。

 

トランプ大統領、核廃棄条約離脱でロシアの術中に

2018年10月28日 10時14分23秒 | 日記

[22日 ロイター] - トランプ米大統領の任期を通じて、これが最も危険な賭けになるかもしれない。また国際条約から一方的に離脱するというものだが、今度は即座に影響が出るばかりか、潜在的に国の存亡を危うくしかねない。

 
 
 10月22日、ロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約から離脱する方針を発表したトランプ米大統領だが、任期を通じて、これが最も危険な賭けになるかもしれない。写真は7月、ヘルシンキでトランプ大統領と会談に臨むロシアのプーチン大統領。提供写真(2018年ロイター Lehtikuva/Jussi Nukari via REUTERS)

トランプ大統領は20日、ロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約から離脱する方針を発表した。1987年に当時のレーガン米大統領と旧ソ連のゴルバチョフ書記長によって調印された同条約は、欧州からの核兵器撤去を定めた画期的なものだ。

米国がINF廃棄条約を離脱すれば、破壊力が高く配備が容易な新世代の核兵器全般の開発や配備を巡り、現存する制約がすべて撤廃されてしまう。ロシアのプーチン大統領としても、自国核戦力の近代化や更新をためらう理由が消え失せるだろう。

そうなれば、新顔である北朝鮮やイランの核兵器が世界を脅かし、新たなミサイル技術が増殖しているこの時代において、再び核軍拡競争が息を吹き返すことになる。

トランプ大統領の思慮に欠けた場当たり的な言動は、プーチン大統領の氏の術中に見事にはまっている。

プーチン氏がすでにINF廃棄条約の原則や規定を軽視している可能性はあるものの、米国が離脱となれば、何ら責任を問われることなく条約を軽視し、条約違反を非難される心配もなくなってしまう。


習氏、安倍首相に拉致解決へ協力を明言 

2018年10月28日 09時57分14秒 | 日記
安倍首相の訪中で、習主席、拉致問題解決協力や北制裁継続を明言したと参加英は報道していた。一体どうしたことなのだろう?
 

ロシア・ウラジオストクで握手する安倍晋三首相(左)と中国の習近平国家主主席

 中国・北京で26日に行われた安倍晋三首相と中国の習近平国家主席の首脳会談で、安倍首相が北朝鮮による拉致問題解決への協力を要請したところ、習主席が「拉致問題の解決を促進する役割を果たしたい。日朝対話促進のためにも役割を果たしたい」と応じたことが27日、分かった。習主席は、国連安全保障理事会決議に基づく対北朝鮮経済制裁も「継続する」と約束したことも判明した。

 複数の政府高官が明らかにした。9月の国連安保理で中国は対北制裁の緩和を求めていた。北朝鮮に強い影響力を持つ中国が、習主席の言葉通りに方針転換すれば、拉致問題が解決に向け動き出す公算が大きくなる。

 李克強首相も26日に安倍首相と会談した際、拉致問題に関し、習主席と同様の表現で前向きに取り組む意向を表明したという。

 習主席、李首相ともに北朝鮮問題で協力する姿勢を示したのは、米中貿易戦争による経済的な打撃が広がる中、北朝鮮問題まで日米と対立するのは得策ではないという判断に傾いたからだとみられる。

 安倍首相は、中国両首脳との会談で、東シナ海や南シナ海での中国の軍備拡張に対する懸念も表明した。両首脳は、東シナ海については海空連絡メカニズムなどの協議に前向きな姿勢を示したが、南シナ海については平行線だったという。

 一方、安倍首相は、中国両首脳に対し、福島第1原発事故後、中国が行っている日本産農林水産物に対する輸入規制の解除を要請した。

 李首相は「科学的評価に基づく緩和を積極的に考える」と前向きな意向を示した。習主席は明言を避けたが、「日本側が手応えを感じる雰囲気だった」(政府高官)という。

 26日の安倍首相と習主席の首脳会談は1時間20分に及んだ。会話の大半は安倍首相と習主席が交わし、両国高官が口を挟む場面はほとんどなかったという。

 安倍首相は27日午後、中国の公式訪問日程を終え、政府専用機で羽田空港に帰国した。