『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

苦笑

2006年05月25日 03時09分50秒 | 日々の出来事
かぁちゃんがデイでお世話になっている所へ新人の看護士さんがやってきた。
診察の時に、側にずっと付いていてくれたのだが、私の顔を見るなり
「やっぱり似ていらっしゃいますね。口元が。」と、愛らしくにっこり。
・・・「どこが?」「・・・似たくない。」・・・いやいや(苦笑)
「え~っ?そうですかぁ?」と笑顔で応えたものの話題が続きそうだったのでつい
「妹は母に似てるんですけどねぇ、私は父親似なんですよ。」と余計な事を言ってしまった。あ~あ、だって無言の間って苦手なんだもん。
実際私の顔は親父に瓜二つだ。友人達に笑われる程似ている。若い頃はそれが嫌で鏡も見たくなかったくらいだ。
 
新米のはりきり看護士さん、尚も続けて
「そうなんですかぁ?見てみたいです~、ご主人~。」とまた笑顔(苦笑)
待つ時間を退屈させまいと、家族の話を聞いてくれる。
誰もが話題にするであろう単なる世間話である。
看護士さんは新しい職場に慣れようと、一生懸命話題を探してくれているのだ。
「頑張れ!ねぇちゃん!!」と心の中でエールを送る。

それで済む筈だったのだが、今回の診察は時間に余裕があったのか、先生がかぁちゃんにいつもより余計に喋ってくれた。
この先生、医者としての手腕は知らぬが、患者一人一人のこれまでの経過。しかも病状だけでなく身の上話まで記録に留めておいて、まるで親戚のおっちゃんのように話しかけてくれる。
・・・離婚して遠くへ行って、嫁いだ人がパーキンソン病だったって知らなかったから、苦労したんだよね~。よく頑張ったね。今は娘さんと一緒でいいねぇ・・・と言った具合にである。

かぁちゃんは、とても嬉しそうな笑顔でそれを聞いている。
「がんばったね。」と優しく言われる事は、ぼんやりした心には即効性の特効薬になるようで、いつもの「うふふふっ。」の笑顔も輝いている。
・・・かぁちゃん、優しくない娘ですまぬ。(苦笑)

先生は診察の終わりに新米看護士さんに「色んな人生があるんだよ。」と一言。
・・・あああぁ、お姉ちゃん、そんな顔しないでよ。(苦笑)
神妙な、不安げな表情に変わってしまった看護士さんに申し訳ないと思いつつ、かける言葉も見つからずに、笑顔で「ありがとうございました。」と別れたけど、気にしていなければいいな。

夜、髪をとかしながら鏡を見ていて、この二ヶ月近くメールをよこさない親父は元気にしているのだろうかと、ふと気にかかる。メールを入れておこうかな・・・。
めったに経験しない感情だ・・・(苦笑)


どうでもいいけど看護士さんって言わなきゃやっぱり駄目なのかなぁ。
看護婦さんって言った方が優しそうに感じるんだけど・・・慣れの問題かな?
コメント
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