国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

グーグル:中国からの撤退騒ぎの真相は?

2010年01月15日 | 中国
米インターネット検索大手、グーグルは12日、中国政府の関与が疑われるサイバー攻撃を受けたことを明らかにした。また、検索サービスに対する中国政府の検閲を「これ以上受け入れ続けるつもりはない」と表明、撤退を視野に中国事業を見直す方針を決めたと発表した。「(巨大市場の)中国からグーグルが離れることはほとんど不可能」との分析もある。しかし、このままなら間違いなくグーグルは中国市場から撤退することになるだろう。この真相はどのようなものだろうか? 2chでは「日本にも要求が来てた、『IT製品のソースコードを渡せ』って要求に関し、色んな駆け引きがあったんだが、それが決裂したんじゃないかな。 」という興味深い書き込みがあった。西側諸国と中国との、ソースコード開示を巡る交渉の決裂の結果、グーグルが反旗を翻したという裏読みである。十分可能性があるだろう。また、東京kittyでは、「米国資本による中国株の売り浴びせと中国泡沫経済の崩壊、米国の投下資本と利益の回収が始まった」としている。 私の考えは、「米中G2の政治・経済関係が悪化し始めたのではないか」というものだ。米中間には貿易摩擦・人権問題など多くの紛争が存在する。昨年は米国政府はこれらの問題をフレームアップするのを控えていたが、それが永遠に続くとは思われない。振り子は一度振れると、その次には逆の方向に大きく振れるものだ。それが始まったのではないか、と言うのが私の予想である。当然ながら、それは中国のバブル崩壊を引き起こす可能性があるだろう。また、米中対立への移行は日本の政変を引き起こす可能性が高いと思われる。 . . . 本文を読む
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バブル崩壊後の中国に生まれる鉄のカーテン

2010年01月10日 | 中国
米国の投資家であるジェームズ・シャノス氏が中国経済のバブル崩壊を予測している。巨大な不動産バブルが存在すること、公式統計の数字が疑わしいこと、解消されない生産設備の余剰などが列挙されている。上海万博は2010年5月1日―10月31日に開催されるが、多くの人々が万博後に高度成長の反動が起きることを予想している。だとすれば、バブルが崩壊するのは恐らく万博の後ではなく前になるだろう。 バブルが崩壊した後の中国は、これまで以上に輸出(外需)に頼ろうとするだろう。しかし、欧州は恐らくエマニュエル・トッドの予測するように保護主義化する。米国は、中国が米国債を買い支える限りは中国の輸出を受け入れるだろうが、米国経済が先行きの見通しが暗い以上、対米輸出の増加は期待できない。内需もダメ、外需もダメという状態になれば、経済成長という中国共産党の唯一の正統性が失われることになる。その後に起きるのは大混乱であろう。(この混乱は、中国による米国債買い支えを終焉させ、それによって米国もまた経済的・政治的に大混乱に突入することだろう。) 混乱の中で、富裕な沿海部の省は北京政府から続々と独立し、福祉を重視した社会民主主義の国を目指す。その一方で、貧困な内陸部の省は混乱状態が続き、行政は麻痺してやがて軍閥が支配する様になる。中国大陸が沿海部と内陸部の二つの地域に分断され、その境界には人やモノの移動を遮る障壁が引かれることになるだろう。20世紀の鉄のカーテンは欧州に生まれたが、21世紀の鉄のカーテンは中国に出来る、と言うのが私の予想である。 . . . 本文を読む
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中国都市部の不動産バブルの行方

2009年12月19日 | 中国
先日、観光旅行で上海・杭州・蘇州を訪問した。ガイドに上海の住宅事情を聞くと、100平方メートルの集合住宅の値段が五千万円だという。これは東京二十三区の非都心部に匹敵するか、あるいは上回る価格である。一人ではとても支払えないので、夫婦共働きでローンを支払うのだとか。共働きでも、上海市民の平均年収を考えると厳しい返済事情になることは想像に難くない。 このような価格は間違いなくバブルである。そして、バブルはいつの日か必ず弾け、後に巨額の不良債権を残すことになる。投機狙いでマンションを買い漁った中国人資産家たちの多くが破産することだろう。それは、間違いなく中国経済の成長鈍化と失業増加をもたらし、政権を揺るがすことになる筈だ。そして、北京での優遇税制の駆け込み適用狙いの質草の急増との報道は、このバブルの崩壊の兆しを表しているようにも思われる。 . . . 本文を読む
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天皇特例会見問題

2009年12月17日 | 中国
天皇特例会見問題で小沢一郎民主党幹事長への批判が高まっている。私も小沢氏の発言や行動は非常に問題があるとの立場である。特に、「陛下の体調がすぐれないなら優位性の低い(他の)行事はお休みになればいいことだ。」「宮内庁の役人が作ったから、金科玉条で絶対というそんなバカな話があるかっていうんですよ。天皇陛下ご自身に聞いてみたら『手違いで遅れたかもしれないけれども会いましょう』と必ずおっしゃると思うよ」との発言は、一政党の幹事長の立場で天皇に命令を下し、陛下の意志を勝手に決め付けるものであり、言語道断である。彼はこの発言で事実上政治生命を失ったと言っても良いだろう。前原誠司国土交通相は、陛下との会見は一カ月以上前に文書で申請するルールについて「政権交代が行われたので、もう一度議論した方がいい」と主張しているが、私はこの主張にも反対である。天皇を一人の人間としてみたとき、75才と高齢で、しかも癌の手術後で体力が落ちている状態であるというのが基本認識であろう。その様な人が職務を制限されると言うのは健康管理の点から見て全く正当なことである。1ヶ月以上前に申し込むべきという制限を加えることで、陛下との会見希望の頻度を制限できるからである。そもそも、1ヶ月以内に訪日する外国政府要人は日本に緊急の用事があるから来るのであり、その様な人物は用事を済ませたら本国に帰国して貰えばよい。どうしても天皇陛下との会見を希望するのなら、再度訪日するか、あるいは訪日日程を延期すればよいだけである。習近平・中国国家副主席も、訪日日程を変更すれば何の問題もなかったのだ。政治家は体調に関わらず全力で働いているのだから、天皇陛下も多少の無理はしてもらうべきという批判もあるかもしれない。しかし、政治家は基本的に使い捨てなのに対し、天皇陛下には数十年の在位期間に渡って国事行為等の公務を実行していただく必要があり、その健康管理が政治家とは異なるべきである。その点で羽毛田宮内庁長官の発言は全く正当である。中国政府としては、1ヶ月ルールを破らせることで中国の国威を日本に見せつけるとの意図があったのではないかと思われる。今後も、中国政府要人の訪日では同様のルール破りが繰り返されることだろう。それに対して、日本政府は今後どう対応すればよいのか?今回の事件は今後に禍根を残す事になりそうだ。 . . . 本文を読む
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中国の国民貯蓄率はなぜ高いのか:中国の内需拡大がうまくいかない理由

2009年09月30日 | 中国
中国は貯蓄率が非常に高く、それが膨大な貿易黒字に繋がっている。世界的景気後退の中で、現在の中国に求められているのは内需拡大であり、その為には貯蓄を減らして消費を増やす必要がある。2005年の国内貯蓄率(対GDP比)は48.1%に達しているが、この一部が消費に向かうだけで中国は内需の劇的拡大を成就できるのだ。 しかし、現実には中国の貯蓄率は高止まりしており、内需拡大の障壁であり続けている。この原因を分析したのが冒頭の張 明氏の論文である。それによると、政府の消費支出が低く、特に教育や医療、社会保障などへの支出が限られているため、個人の間では将来の生活に対する不安が広がっており、これに備えることが貯蓄の強い動機となっていること、中国では企業部門や政府部門の貯蓄が多すぎること、各部門の貯蓄が代替できないことが挙げられている。中国の高貯蓄率は構造的なものであることが示されている。 現在はこの高貯蓄率は外貨準備への米国債積み上げと言う形で処理されている。しかし、近い将来に米国が破綻しドルが暴落すると、中国はドルと元のペッグから離脱せざるを得なくなる。欧州も保護主義に向かい、中国は欧米という工業製品の輸出先を失って大恐慌に陥るだろう。十三億という膨大な人口を抱えながら内需を拡大できず輸出に頼るしかないという中国の弱点が、結果的に中国を滅亡させることになるのだ。そして、大恐慌下の中国では上海を筆頭とする沿海地域が北京政府から独立し、社会保障の充実や議会制民主主義の導入を含めた社会民主主義的国家を目指してゆくことになると想像する。 . . . 本文を読む
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日中露印の四大国が支配する21世紀の東アジアシステム

2009年09月26日 | 中国
ニュースサイト「theTrumpet.com」で、コラムニストのRobert Morley氏は、日本・中国・ロシアの三カ国は大々的な軍事同盟に今まさに釘付けになっている、と述べている。北方領土問題が解決されれば、日本とロシアの間には外交的対立の芽はなくなり、中国の脅威に対抗する同盟関係(非公式なものかもしれないが)が成立するだろう。一方、中国とロシア、中国と日本の間には対立の芽が存在するため、これをどう解決してゆくかが問題となる。21世紀の日本は、東アジア共同体を通じて中国をコントロールしようと試みつつ、ロシアやインドと軍事的に協力して中国を封じ込める路線を採るのではないかと私は想像する。 EUがキリスト教・民主主義・人権尊重という共通の価値観を有するのに対して、アジアは宗教を採ってみても神道・仏教の日本、道教の中国、ヒンズーのインド、イスラムのインドネシア、東方正教会のロシアとばらばらである。また、経済的格差も非常に大きい。EU型の共同体をつくるのは無理だろう。ただ、宗教がバラバラで経済的格差も大きいが成功しているASEANがある。日本はASEANをお手本にした東アジア共同体を目指してゆくべきだろう。 現在、イランの核問題はP5+ドイツによって取り扱われているし、北朝鮮の核問題は当事国の南北朝鮮に加えてP5+日本で取り扱われている。ユーラシア大陸西部と東部の安全保障システムは既にできあがっているのだ。米国撤退後の東アジアでは、安全保障問題は日中露三カ国、あるいはそれにインドを加えた日中露印の四カ国の協議で全て決定されることになるだろう。これは、EUが英仏独の三大国、あるいは英仏独伊の四大国に事実上支配されているのと類似したシステムである。 . . . 本文を読む
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決着へと向かう中印国境紛争

2009年08月07日 | 中国
まず、国境交渉が決着に向かっているということは、落とし所も決まっていると思われる。恐らくそれは中国側とインド側の要求の中間点であり、具体的には中国が支配するアクサイチン地区の西半分をインドに割譲することになるだろう。中国としては、重要な交通路である新蔵公路を確保できればよいと考えているのではないだろうか。ただ、中国側も一枚岩ではなく、インドに譲歩しすぎだと考える者がおり、それが香港紙・明報の否定的な報道に繋がったのだと思われる。 中国側がインドになぜここまで譲歩するのか?その最大の理由は、欧州を中心に世界に広まる中国包囲網だろう。日米欧などの先進国の世論は中国の人権問題やチベット・ウイグル問題に批判的であり、多くの分離独立運動家が欧米で活動している。この包囲網を切り崩すことが中国の政策目標であり、その筆頭として同じ途上国の大国であるインドが選ばれたのだろう。 もう一つ考えられる理由は、中国政府が近未来のチベット・ウイグルの分離独立をやむをえないとして容認している可能性である。どうせ分離独立してしまう地域の為に中国政府が頑張る必要もない、それよりもインドに譲歩して、中国とインドの友好関係を獲得したいと彼らが考えても不思議ではない。 中印国境問題が解決した場合、中国に残る国境問題は南シナ海の南沙諸島と東シナ海の尖閣諸島である。南シナ海では中国は多数の島を実効支配しており、現在ベトナムの漁船を拿捕して問題となっている。また、尖閣諸島はサンフランシスコ条約によって日本帰属が確定しているにも関らず領土要求を繰り返している。インドに対する柔軟姿勢と対照的なこの東シナ海・南シナ海での強硬姿勢は、中国がランドパワーよりもシーパワーを重視していることを示していると思われる。近未来の米国政府破綻で米軍が本土に撤退すると東アジアに巨大な軍事力の空白地帯が生まれることになり、そこを中国が突いてくる可能性が高い。日本としては、米軍の第七艦隊の活動資金を拠出することで軍事力の空白地帯の出現を防ぐことを米国と協議する必要があるだろう。 . . . 本文を読む
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民主党の対中政策について考える

2009年08月05日 | 中国
民主党の岡田幹事長が新対中政策を打ち出した。首相の靖国神社公式参拝や中国への内政干渉は行わないという対中迎合ぶりであり残念なのだが、現実主義の立場から私はこの政策を支持する。ワシントンで開かれた米中戦略経済対話で、米国は中国の人権問題やチベット・ウイグル問題を取り上げなかった。米国は中国による米国債買い支えに依存しており、中国を刺激することが出来なくなったのだ。これは米国の弱体化の象徴とも言える。米国の属国である日本は米国の政策転換に足並みを揃える必要がある。私が岡田幹事長を支持する理由はもう一つある。近い将来に米国政府は破綻し、東アジアに駐留する米軍も全て、または大部分が本国に引き揚げることになる。恐らくその直後に北朝鮮あるいは韓国による統一戦争が勃発し、朝鮮半島の国境線が書き換えられるだろう。その様な不安定な東アジア情勢で、日本が戦争に巻き込まれない為にも、日本と中国の間の緊張要因を一時的に可能な限り少なくしておく必要があるのだ。既に台湾は親中政権が樹立されており台湾海峡の対立は緩和されている。日本も台湾に倣って一時的な親中政権を作るべきである。そして、東アジア情勢が落ち着いたところで再度靖国参拝を堂々と実行してゆけばよい。チベットやウイグルについては、既に欧州が中心となって中国批判を繰り広げている。ドイツの外交政策情報のウェブサイトであるgerman-foreign-policy.comは「北京に対抗する同盟」という刺激的な記事を掲載しているし、世界ウイグル会議も本拠地ミュンヘンを中心に欧州・トルコ・米国などで活動している。チベットについても、亡命政府のあるインドや欧州のダライラマ支援活動が盛んである。日本政府がチベットやウイグルへの公式支援活動を一定期間行わないとしても、これらの活動が廃れることはないと思われる。近未来の中国で富裕な沿海部の独立運動が始まれば、チベット・ウイグルも独立運動を起こせるだろう。日本政府がチベット・ウイグルの独立を支援することは、日中戦争の引き金になりうる。欧州の反中国活動は、地理的疎遠さ故に中国-欧州戦争が起こりにくいからこそ実行できているとも言える。日本がわざわざ欧州のバックパッシングを受けて対中戦争を起こさねばならない必要性はない。近未来の不安定な東アジア情勢の中で、日本にとって最も重要なのは、日中戦争を回避することである。 . . . 本文を読む
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南シナ海を巡る米中の対決が米国の経済的破綻をもたらす?

2009年03月17日 | 中国
米海軍調査船インペッカブルが南シナ海の公海上で中国艦船から妨害行為を受けた問題は、緊張の度合いを増している。訪米中の楊潔〓外相とクリントン国務長官は11日の会談で「再発防止」に合意したが、中米両国とも実際には事態をエスカレートさせており、近日中に両国が再び対決する事態になることは避けられないだろう。中国側の漁業監視船は軍艦を改造したものであることを考えると、事実上両国海軍が激突することになる。イージス駆逐艦「チャン・フーン」は8、230トンと監視船「漁政311」(4450トン)より大きく、装備も米軍が優っている。しかし、だからといって中国側が戦闘を回避することは考え難い様に思われる。8年前に米偵察機が南シナ海上空で中国軍機と接触して海南島に緊急着陸し、発足間もないブッシュ政権と中国との関係が一時険悪化したことを忘れてはならない。この事件は中国側が米軍偵察機を挑発したため接触することになった。中国側はブッシュ政権の出方を試すためにわざと挑発的行動を取ったのだと思われる。今回の事件も、オバマ政権を試すためにわざと米海軍船を挑発したのだと思われる。中国側は軍事的に劣勢であり、衝突で勝利することは不可能である。しかし、中国には米国に致命的打撃を与える武器を持っている。それは、米国債を今後購入しないと宣言することである。オバマ政権は金融機関や自動車会社の支援のために膨大な額の国債を今年発行することになるが、それを中国が購入してくれないと米国政府が破綻してしまうのだ。中国が「米国が南シナ海から手を引かないと米国債購入を停止する」と米国を脅したとしても、米国が譲歩する可能性は低いだろう。米国は逆に、中国の保有する米国債の返済を中止すると中国を脅すことだろう。そして、両国の対立はエスカレートし、米国は新規発行国債の買い手を失って経済的破綻に至ると予想する。日本は米軍の太平洋艦隊を維持する目的で米国を経済的に支援することになるだろう。米国は経済的破綻をきっかけに世界からの軍隊の引き上げを実行し、イラク戦争やアフガンでの戦争も終結することになる。また、在韓米軍や欧州の米軍も撤退することになり、イスラエルや韓国は米軍の後ろ盾を失って滅亡へと向かうことになる。それと同時に、ホロコーストや南京大虐殺の嘘が暴かれ、第二次大戦後の世界を支配した「連合国の正義」も終焉することになると予想する。 . . . 本文を読む
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社会不安、保護貿易、ブロック経済化、そして戦争

2009年03月07日 | 中国
ブログ「ヤスの備忘録」がLEAP/E2020の最新レポートの要約を掲載している。4月に開催されるG20が失敗に終わると世界が地政学的秩序が流動化すると言う内容だ。具体的には、経済面では保護貿易やブロック経済化、社会面では暴動・内戦などによる社会秩序崩壊、国際面ではIMF、OECD、WTO、国連などの国際組織の解体が列挙されている。中でも、米国の経済的繁栄の終焉と混乱、暴力の爆発の指摘は重要である。田中宇氏もブログで同様の事を述べているし、地政学者の奥山真司氏も昨年の講演会で同様の指摘を行っていた。これだけ多くの分析者の分析が一致するということは、それが実現する可能性が非常に高いことを意味する。恐らく、今年夏以降の米国国内の混乱は治安維持のための米軍の国内引き上げに繋がり、米国はイラクだけでなくアフガン、欧州、韓国などから撤退することを迫られるだろう。在日米軍も海兵隊や空軍は引き上げ、小沢一郎氏の言うように第七艦隊だけが日本の経済的支援によって残留することになると思われる。これにより米軍の後ろ盾を失ったイスラエルはユダヤ人が一斉に逃げ出し滅亡、韓国も近い内に北朝鮮に併合される形で滅亡すると私は想像している。この米軍引き上げで最も危険になるのが台湾と尖閣諸島であろう。台湾・尖閣諸島の安全保障は米国の海軍力と空軍力に大きく依存しているが、米国国内の混乱によって米軍の機能が低下し、中国が侵略しようとした場合の抑止力が低下する危険性がある。無論、米国の混乱が対米輸出激減を通じて中国の国内を不安定化させ、中国も内乱・分裂に向かうシナリオも考えられるが、国民の目を外に向けるために台湾侵略を中国政府が選択する危険性もある。米国の混乱と中国の分裂の間の期間が台湾や尖閣にとって最も危険であろう。米国の混乱期に台湾や尖閣を中国から守るには日本はどうすればよいのだろうか。独自核武装とロシアとの同盟がその答えになるだろう。ロシアはかつて清国から奪った極東を奪還される危険性を感じている。中国にとって第一に奪還すべき領土は台湾であり、極東はその次の候補である。日露の軍事同盟締結に引き続いて、ロシアを日本が説得して台湾との軍事協力を実行させることで中国の野心をくじくことが可能だろう。そして、中国が分裂すれば、日本は台湾や上海を衛星国として東アジアで繁栄を続けることが出来るだろう。 . . . 本文を読む
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北京から西安への遷都計画について考える

2009年01月03日 | 中国
ブッシュ大統領が洞爺湖サミットでの日米首脳会談中の雑談で福田首相に「中国は北京から西安へ遷都を検討している」と語ったという。 しかし、私はこの情報の信憑性に疑問を持っている。というのも、中国では黄河流域で水不足が深刻化しているが、西安市はその黄河流域に位置しているからだ。都市住民が水洗トイレ等で膨大な水を消費することを考えれば、黄河流域に新たな大都市を建設することは下流の水不足を悪化させるだけである。私は、中国側がわざと西安遷都という偽情報を流したのではないかと疑っている。 ただ、北京市が近い将来に砂漠に飲み込まれかねない事を考えると、遷都の必要性は十分考えられる。では、中国にとって理想的な遷都先はどこだろうか? 首都への国民のアクセスのしやすさを考えると、首都は国土の中心に近い場所が望ましい。中国の国土の中心はどこかを考えてみよう。中国の国土は大興安嶺・雲貴線によって東方の低地と西方の山岳地帯に分けられ、秦嶺・淮河線によって北方の乾燥した麦作地帯と南方の湿潤な米作地帯に分けられる。この二本の線が交わる所は地理学的な中国の中心と言える。河南省の南陽市が丁度そこに位置しており、揚子江の支流である漢水の流域であること、漢水の上流側に丹江口ダムがあることから水不足の心配もない。 北京・上海・広州という三大都市から等距離にある内陸都市という観点からは武漢が挙げられる。武漢は三大都市から約1000km離れており、時速250kmの高速鉄道が出来れば4時間で結ばれる。揚子江の水運を利用できるのもメリットだが、洪水、特に三峡ダム決壊時には大打撃を受ける欠点がある。武漢周辺で揚子江流域でない地域というと、揚子江の支流である漢水の流域になる。 これらを合わせると、私の考える理想的な中国の遷都先は、南陽市から武漢市の間の漢水流域となる。新首都がこの地域のどこであれ、北京・上海・広州の三大都市から高速鉄道で四時間程度で移動可能である。 なお、上記の考察は中国が統一を維持した場合の話である。ただ、中国が分裂した場合でも、豊かな沿海地区だけが分離独立して貧しい内陸地区が取り残される場合なら、巨大な内陸国家の首都として南陽市から武漢市の間の漢水流域は理想的であると思われる。JJ予知夢の言う「西部にもう一つ大きく別れた国」がそれに対応するのかもしれない。 . . . 本文を読む
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中国政府が自衛隊機派遣を要請したのはなぜか?

2008年05月29日 | 中国
5月28日に、中国政府が自衛隊機の派遣を要請したというニュースが報道された。実現すれば、日本軍が中国領土内で活動するのは第二次大戦以来初めてとなる。地震の被災地である四川省は第二次大戦中の重慶爆撃の記憶が残っていると思われ、地元民は複雑な感情だろう。中国国内では航空輸送力が不足しているとは思えず、自衛隊の派遣は政治的意味合いが深いと思われる。地震発生から二週間以上経過した今なぜ自衛隊機派遣を中国政府は要請したのだろうか?その答えはダライラマ訪欧にあると思われる。 5月13日から5月末までの予定で現在、ダライラマがドイツとイギリスを訪問している。ダライラマは各地で講演会を開催している他、ドイツではウィチョレクツォイル経済協力開発相が政府代表として会談、対中支援停止を決定しているし、英国ではブラウン首相やチャールズ皇太子と会談している。先の聖火リレー騒動の時にはフランスが中心になっていたが、今回は残る欧州の大国である英独両国の政府がダライラマを支持したことになるのだ。このことは中国政府にとっては大打撃である。また、中国政府が厳しく批判するダライラマを欧米の世論は歓迎している(シャロン・ストーンの発言はその象徴)ことも重要である。ダライラマ訪欧で国際的孤立が更に悪化した中国は、難局を打開するためにG8の一員である日本との友好関係の推進がどうしても必要になったのだと思われる。 5月18日に既に米軍機が成都に到着していることは、中国が米国との友好関係を望んでいることを示していると思われる。米国は現時点では日本と同様に中国の仮想敵国であるが、第二次大戦中は同盟国であった。第二次大戦中に敵国で現在も仮想敵国である日本の自衛隊機の派遣は中国の国民感情から考えてより抵抗が大きいと思われる。しかし、その抵抗を乗り越えねばならないほど現在の中国の国際的孤立は深刻である、ということだろう。 なお、自衛隊機が日本からもし北京までの輸送を行う場合は韓国の領空を通過することになるが、韓国政府がそれを容認するかどうかという問題も注目される。竹島問題で日韓両国の関係が冷却化している今、韓国政府も難しい選択を迫られそうだ。 . . . 本文を読む
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ベンジャミン・フルフォード氏の「四川省大地震=地震兵器」説について考えてみる

2008年05月15日 | 中国
まず、ベンジャミン・フルフォード氏では三峡ダムのすぐ隣りが震源地であるとしており、ブログ「ネットゲリラ」も三峡ダムが原因だとしているが、これは誤りと思われる。三峡ダムの貯水池は四川盆地の東側に位置している。それに対し、今回の地震は四川盆地の西端付近の山岳地帯が震源地であり、あまりに距離が離れているのだ。また、余震の分布を見ると、震源地から北東方向に伸びる直線上に震源が集中しており、活断層が原因であることが一目瞭然である。あとは、この活断層の活動に地震兵器が使われたかどうかが問題となる。 地震兵器を保有しているか、あるいは兵器使用を決定できる可能性のある国・組織は米国政府・ロシア政府・国際金融資本ぐらいではないかと思われる。これらの国・組織が中国を脅迫する目的で地震兵器を使用すると仮定したならば、北京五輪聖火リレー騒動、現在G8諸国によって行われている中国包囲網などが焦点の候補になるだろう。 聖火リレーは5月8日に世界最高峰のチョモランマに登頂したあと、5月11日から13日にかけては福建省でリレーが行われている。このことから、聖火リレーとは無関係であることが想像される。 一方、G8諸国による中国包囲網については、スーダンなどのアフリカ諸国に資源を求めて中国が進出していることに欧州諸国が特に神経質になっており、中国をアフリカから撤退させるための脅迫として地震兵器が使われたというシナリオはあり得ないものではない。ただ、問題は地震の震源地がアバ・チベット族チャン族自治州という山岳地帯であり、死者の多くが漢民族ではなく少数民族であると想像されることだ。中国では漢民族優位、都市戸籍の優位が社会的に徹底していること、チベット族が3月の暴動によって漢民族から白眼視されているであろうことを考えると、震源地の選択が対中脅迫目的としては不適切である。もし中国を脅迫する目的ならば、漢民族の住む中国の大都市を狙うべきであろう。震源地近郊の大都市成都での被害は大きくなかったようである。また、成都で「日米都市防災会議」の様な欧米の地震学者が集まるような会議が開かれていたという情報もない。 地震兵器が存在すると仮定しても、震源地が対中脅迫目的としては不適切であることから、今回の四川省の大地震は地震兵器によるものではなく、自然発生したものであろう、というのが現時点での私の結論である。 . . . 本文を読む
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胡錦濤訪日を採点する

2008年05月12日 | 中国
胡錦濤国家主席の訪日で、福田首相は「パンダを手に入れただけ」と酷評されている。しかし、実際には福田外交は中国に対して大勝利を収めたと言える。 従来中国が強硬姿勢を見せ譲らなかった東シナ海での天然ガス田共同開発問題で、日中両国は日本側の主張に近い線で折り合ったという。具体的な合意内容が公表されていないのは、中国国内での調整が済んでいないからだろう。しかし、予定通り夏前にこの問題が決着すれば、事実上東シナ海での日中の経済水域の境界線が確定することになる。中国が領有権を主張していた尖閣諸島についても、日本の領有権が確定する可能性があり得るだろう。また、胡錦濤国家主席は中国首脳で初めて日本の国連安保理常任理事国入りに肯定的姿勢を示したことも注目される。一方で日本は台湾問題で従来の姿勢を変えておらず、中国に譲歩はしていない。 この二つの問題での中国の対日譲歩は、チベット問題で中国が欧米世論に集中攻撃されるなかで、G8諸国の一員である日本を敵に回すことを避けたい、その為に日中間の懸念事項を解決する必要があるという認識から出たものと言えよう。日本はチベット問題で漁夫の利を得た形になるが、流されたチベット人の血に報いるためにも、未来のチベット独立を支援していく必要があるだろう。 日本のマスコミがこの福田外交の大勝利を報道しないのは、日本国内での報道が中国に引用されて「日本に譲歩しすぎだ」との政府批判が中国国内で燃え上がるのを防ぐことが目的だと思われる。恐らく、天然ガス田共同開発問題が決着する時も福田首相は媚中派としてマスコミに叩かれる、と言うシナリオができているのではないかと想像する。勝利の弊害を恐れるという実に日本的な外交政策だ。 このように、欧米とも中国とも友好的関係を維持するという現在の日本の外交政策は福田政権でも成功を収めている。しかし、中国が今後成長を続ければ欧米と中国の対立は深刻化し、日本はどちらにつくかを明らかにすることを迫られるだろう。それを回避するには、JJ予知夢の言うように中国を分裂させるしかないと思われる。分裂した中国は外国に与える脅威が減少するからである。中国分裂を実現できるかどうか、これからが日本外交の正念場ではないかと感じる。 . . . 本文を読む
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日米露三カ国による軍事的中国包囲網の強化

2008年05月06日 | 中国
永らく米露両国の対立の的であった東欧でのミサイル防衛システム配備問題がどうやら和解に転じた様である。サブプライム問題による米国の国力弱体化もあり、反米の中露同盟が徐々に崩壊して反中の米露同盟が形成されはじめている様に思われる。ロシアがもはや最新鋭兵器の対中売却を禁止したことも重要である。福田首相の訪露でも石油パイプライン問題で日本に有利、中国に不利な合意が行われており、日本が反中国同盟の一員に加わった様に思われる。日本が多弾頭迎撃体MDシステムの導入を決定したという5月3日の読売新聞の報道も、中国の核ミサイルに対する日米共同の対抗策と見なすべきだろう。 G8諸国の中国包囲網は、国境を越えた記者団・BBC・CNNなどの西側マスコミと、北京オリンピック開会式への不参加を宣言したEU諸国が表に出ている。軍事力を伴わないソフトなアプローチである。そして、中国と軍事的に接する日米露の三カ国はチベット問題や北京オリンピック問題で中国を刺激することを避けている。しかし、最新鋭兵器、ミサイル防衛システム、石油パイプライン問題などのハードな面では、日米露の三カ国は中国包囲網を強化しつつあると言える。この役割分担が興味深い。 . . . 本文を読む
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