国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

中国軍が北朝鮮に駐屯開始

2011年01月17日 | 韓国・北朝鮮
中国軍が北朝鮮北東部の沿岸都市である羅先特別市に駐屯を開始した。中国軍の北朝鮮駐屯は1994年12月に中国軍が板門店の軍事停戦委員会から撤収して以降17年ぶりとなるという。これは中国が羅先で投資した港湾施設などを警備するため、あるいは中国海軍の寄港地確保のためとされている。確かにその様な目的はあるのだろう。しかし、私は別の目的もあるのではないかと考えている。それは、韓国軍による北朝鮮の武力統一を阻止することである。 中国が強大化し米国が弱体化する現状で、防衛を米国に依存する韓国は徐々に立場が弱くなっている。このまま手をこまねいていると中国の衛星国に転落することになるが、中国は韓国が中国より繁栄している現状を好ましく思っておらず、結果的に韓国の繁栄が終焉する可能性が高い。それを阻止するにはまずは北朝鮮を統一してしまい、中国に対して軍事的優位を確立するしかない。そして、北朝鮮を先制攻撃して軍事的に統一してしまうならば早ければ早いほどよい。韓国支配階層は北朝鮮占領を真剣に考慮していると私は想像している。 中国も恐らくそれは理解しているのだろう。そして、中国にとっては米国の影響下にあり繁栄している韓国が北朝鮮を併合し中国と国境を接することは絶対に容認できない。明治日本が韓国併合を通じて満州を影響下に置いたように、統一韓国が満州を影響下に置く危険性が高いからだ。 中国は北朝鮮と軍事同盟を結んでおり、韓国が北朝鮮に武力侵攻した場合には軍事支援する義務がある。しかし、この同盟義務がどこまで実行されるかは不透明な部分があった。今回、中国軍が北朝鮮領内に駐屯を開始したことで、将来韓国軍が北朝鮮に侵攻した場合には自動的に韓国軍と中国軍が対決する事態が起きることになった。無論、中国軍が戦争への中立を表明し韓国がそのまま北朝鮮を併合する可能性も残されているが、やはり韓国による北朝鮮武力統一が困難になったことは否めないと思われる。韓国の北朝鮮政策が今後どの様に変化していくかが注目される。 . . . 本文を読む
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