国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

TPPを巡る日米両国の思惑

2011年01月24日 | 日本国内
TPPは米国の国益には合致するが日本の国益には合致しない。米国はTPPで日本の米作農業を壊滅させ、農産物輸出を増やすことができる。また、仮に気候変動で世界的食糧危機が起きた場合には日本は米国に完全に従属することになり、日本企業は全て米国に乗っ取られ、日本のトップエリートは飢餓を逃れるために米国に移住することになるだろう。まさに日本の滅亡である。 無論、日本にとって農業の効率化は必要である。しかし、それは農村の人口激減を意味する。TPP加盟時にはその衝撃が一挙に加わり、日本の広大な農村地帯は荒廃することだろう。農業の効率化は数十年間かけて徐々に実現する必要があり、TPPによる米作の破壊は絶対に行ってはならない政策である。株式日記のTORA氏は米作の抜本的改革を主張するが、そんな馬鹿は食糧危機の時に飢えて死ねばいい。私は現在保有している擬装農地にサツマイモでも植えて生き延びるつもりだ。 米国はこれまで、第二次世界大戦や日米貿易摩擦、郵政民営化、国鉄民営化、NTT分割などを通じて日本の国家体制や日本的経済システムを破壊し優位に立つことを狙ってきた。日本は一貫してその米国の姿勢に従属するが、ぎりぎりの所で踏み止まり国益を維持し続けてきた。例えば第二次世界大戦後に日本は戦争を放棄することで米軍の露払いとしてアジア侵略の先頭に立つという役割を逃れることが出来た。その役割は朝鮮戦争やベトナム戦争で韓国軍が果たしている。また、郵政・国鉄・NTTなども分割されたが依然として機能し続けている。更に振り返れば、明治維新の時にも朝廷と幕府の内戦で日本が植民地化する寸前であったが大政奉還により内戦を逃れ独立を維持している。今回のTPP加盟も同様の戦略と思われる。従って、日本はTPPには加盟するが米作に限定して何らかの障壁を設けて米作農家を保護するつもりではないかと考えている。 . . . 本文を読む
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