国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

イランの核兵器開発を三十カ国以上が支援

2011年01月18日 | 中近東地域
ウィキリークスの伝えるところによると、イランの核開発を三十カ国以上が支援しているという。核開発は高度な技術を要するものであり、この三十カ国の中には米国の対イラン制裁に協調している西側諸国やロシアなども含まれている可能性が高いのではないかと私は想像している。つまり、世界支配階層は、表向きはイランの核開発を激しく非難しつつ、裏ではこっそり支援しているということである。米ソ冷戦の裏で米国からソ連に技術や資金が流れていたのと同様の状況である。 米国のアフガン攻撃・イラク攻撃も、表向きはイランを東西から挟み撃ちして攻撃するのが目的のように言われており、実際にはその様な意図もあるのではないかと思われる。その背景に存在するのは、イランの核開発を自国存亡の危機としてとらえるイスラエルであろう。しかし、恐らく米国にも、裏でイランの核開発を支援し、イランの勢力を拡大させる形で米国がイラク・アフガンから撤退していくという方向で活動している勢力(反イスラエル派)が存在するものと私は想像している。イスラエルのモサドが米国の主要都市や空港・港湾に核兵器を仕掛けているために米国はイスラエルの言いなりにならざるを得ないと言う内容の情報があったが、それが真実だとすれば米国の反イスラエル派の存在は現実味を帯びてくる。私は、911事件や米国のアフガン・イラク攻撃は米国の内戦であり、主戦場はワシントンDCであると考えている。 イスラエル以外の西側諸国にとっては、イランの核開発は決して大きな脅威ではない。イランにとって最大の仮想敵国はペルシャ湾の南側に位置するアラブ諸国だからだ。アラブ諸国とイランは言語も文化もイスラム教の宗派も全て異なっており、その関係は決して良くない。今後世界が多極化する中で、イスラム世界はイランとアラブの二大勢力にまとめられていくことだろう(トルコ系民族は欧米の影響を強く受けており、イスラム世界に含まれるかどうか微妙である)。このような将来像は、イランとアラブが連合して統一イスラム国家となり欧米に対抗してくるというケースよりもずっと欧米諸国にとって望ましいと考えられる。これは欧米によるイスラム世界の分割統治と考えても良いだろう(同様に東アジアも日本と中国という二つの超大国によって分割統治されるだろう)。 . . . 本文を読む
コメント (6)