国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

金泳三元大統領は何者か?

2011年05月15日 | 韓国・北朝鮮
ロー・ダニエル著「竹島密約」の韓国語訳が出版された。私がこの本の書評の中で注目するのは、1965年に竹島に関する密約が韓国軍事政権と日本の間で結ばれ継続されていたのに、1996年6月に金泳三(キム・ヨンサム)政府が竹島の領有権主張を強化して密約が破られたとの指摘である。では金泳三元大統領は反日派なのかというと、どうもそうではないようだ。日韓国会議員サッカー大会の前日に山本順二を自宅に招き日本語で会話するなど、日本とは非常に親しい関係であり、早稲田大学の特命教授に就任しており、流暢な日本語での講義を受け持っているという。反日でもあり親日でもある金泳三元大統領は一体何者なのだろうか?この答えを出すのに最も重要なのは、大統領期間の金泳三の政策である。竹島問題に関する密約を破る行為や日本の歴史認識を問題視する政治姿勢は韓国の反日世論を刺激し、結果的に日韓の軍事同盟は不可能になった。1990年代には既に米国の没落が明らかになっていたことを考えると、韓国としては米国衰退後の安全保障政策として日本との軍事同盟を真剣に検討する時期にあった。結果として韓国は現在、唯一の同盟国である米国の衰退に直面し、日本・中国・北朝鮮という仮想敵国に囲まれて孤立した滅亡寸前の状況に追い込まれている。冷戦後、つまり21世紀の韓国の安全保障を決定的に破壊したのが金泳三政権なのだ。自国の国益を追求するはずの政治家がなぜそれを損なう行動を行うのか、非常に不思議である。私は、金泳三は日本政府の工作員なのではないかと考えている。恐らく日本政府の依頼を受けて大統領時代に反日政策をとったのだろう。1990年代はクリントン政権が露骨な反日政策を採り日米関係が緊張する中で、米国の衰退も明瞭化してきていた。日本政府は将来米国が衰退して米軍が韓国から撤退することを予期し、米軍撤退後の韓国を支援せずに滅亡させることを決定したのだと想像している。そして、滅亡する韓国に過剰な工場設備を集積させ、近未来の米国の覇権崩壊に伴う世界恐慌の時に合わせて韓国を滅亡させて工場設備を一挙に破壊する政策を推進しているのだと考えている。 . . . 本文を読む
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