計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

北極振動と収束線と新潟県の大雪

2016年01月27日 | 気象情報の現場から
 先の週末から週明けにかけては、北極振動AOマイナスのパターンとなった影響に伴って、非常に強い寒気が日本付近に南下してきました。



 この時、日本付近の上空5000m付近(500hPa等圧面上)で-36℃以下の非常に強い寒気が流れ込んでいました。、また、この寒気の中心では-42℃近くに達しており、なかなか見られないほどの強さとなっていました。ちなみに、この高さで-36℃の寒気というのが、大雪の一つの目安になっています。



 さらに地上の気圧配置を見てみますと、西高東低の冬型の気圧配置のようですが、日本海上にも低気圧があって、その後ろ側には収束線が見られます。等圧線上はひらがなの「く」の字のように折れ曲がっているような所です。

 このような所では、折れ曲がりの中心を境に、その南北で風向きが微妙に異なります。互いの風の流れが中心に向かうため、中心線沿いに雪雲の押し寄せる流れ道(収束線)ができるのです。



 問題は、その収束線がどこへ向かって行くのか、です。つまり、その向かう先の陸地で集中的な大雪に見舞われるからです。今回は、新潟県付近に向かってのびていきました。このため、新潟県の県央地域を中心に大雪となりました。



 今回の特徴として、「ゆきぐに羽越」を専門とする立場としては、「北極振動に伴って非常に強い寒気の南下が顕著だった」事に加えて、「日本海上で収束線が形成されて日本海側の平野部にのびた」所に注目しています。
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