◎活人剣
(2017-08-29)
太阿とは、活人剣のことである。悟りを以って世を渡るということであって、銃刀法に登録した名刀を持って時々振り回すことではない。
沢庵禅師の太阿記の本文。
『蓋し兵法者は勝負を争わず、強弱に拘わらず、一歩を出でず、一歩を退かず。
敵、我を見ず、我、敵を見ず。
天地未分、陰陽到らざる処に徹して、直ちに功を得べし』
天地未分、陰陽到らざる処とは、第六身体、アートマン、密教でいう空のことであり、過去現在未来すべて一つながりのもののことである。ここに立って初めて、我と敵は一身同体であるから、敵も、我を見ないし、我も敵を見ない。
これは、ノンデュアリティの理屈であるが、理屈であるうちは何も起こらない。
そこで、人は自我の死を通過し復活しないと、そこのところはわからない。ノンデュアリティは理屈の理解でなく、体験とは言えない体験を通らないと本物にはならない。
太阿記では、禅冥想(Zen Meditation)という行が前提となっている。坐ってなんぼ。