◎踵の踏みつけ
◎丹田を錬る-13
(2021-03-11)
肥田春充は、実家の姓は川合。彼の『川合式強健術/肥田春充』に踵の踏みつけの詳細の記述がある。
『(イ)自然体で独立
(ロ)全身どの筋肉にも力を入れない。踵と踵の間は、約五寸位離して居る。
(ハ) 規定の如き拳(こぶし)を作り、軽く握る。
(ニ)腹に力を入れ、グイと首を上げて眼光を定める。
(ホ)重心が両足の中央に落ちる様に、腰を据える。
(ヘ)右足で軽く地を踏み、続いて左足でも軽く踏み、すかさず右足つま先を、右側方に向けて、踵を強く踏み附ける。
(ト)同時に左脚は、膝を曲げないで、左側方に上げる。その上げる程度は、右脚と直角となる位である。そして左足と右足とは直角となる様にする。(右足踵と左足爪先が直角)
(チ)上体は力を入れずに、やや前に屈(かが)める。
(リ)左様すると下腹部だけが、石の様に固く緊張する。
(ヌ)右脚の踏みつけと同時に、左脚を上げるから、上から来た上体の重さと、下から行った衝動力とは、腹筋でぶつかり合う。そして一つの力となり、腹筋を緊張させる其の緊張力の強弱は、踏み附けの強弱に比例する。その間(かん)実に秒時である。
(ル)左脚の踏み附け方も、要領は之(これ)に同じ。』
(川合式強健術/肥田春充P155-156から引用)
これに続いて、『最後の踏み附けは全生命を打ち込むの気合でやる』と注意書きがある。全体として相撲の四股に似ているが、彼はそれについて、『脚から行って腹をしっかりさせるため』とコメントしている。
若い人ならいざ知らず、中高年が四股を踏むのはバランス的にも筋力的にもおいそれとはいかない場合があり、ある程度の練習期間が必要なのだと思う。大相撲はTVでずっと流されているが、腹なる丹田を脚を動かしながら踵の踏み附けで定め固めていくとは、実際にやらないがために気がつくこともなかった。
だが丹田の強化は、丹田をターゲットにした観想法ではないので、このやり方もよくチャレンジしてみるべきだろうと思う。
※拳(こぶし)の作り方は今後書きます。