◎伊弉冊神(いざなみのかみ)火の神を生んで亡くなる
古事記言霊解(霊界物語第八巻)は、何度も読んだつもりだったが、読み始めると個々の字義や言霊の説明に気をとられ、全体の流れをなかなか汲み取ることができなかった。
まず伊弉冊神(いざなみのかみ)が最後の出産で、火の神である迦具土神(かぐつちのかみ)を生んだことで亡くなる。迦具土神は火力文明たるこの近代西欧文明のシンボルであって、火力がこの文明の交通機関、戦争兵器、生産機関などのメインとなることを云う。それによって本来の健全な地球の姿が失われ、滅亡に瀕したことが、伊弉冊神が出産で亡くなったことで表象される。
伊弉諾命(いざなぎのみこと)は、彼女の死体を生気がないか日本魂が残っていないかと調べてみたが、ほとんど生命のないことを確認した。このことで世の中に、暖かみはなく冷酷さが蔓延し、しかも道義心、公徳心が失われたことを大いに泣き悲しんだのでこれを泣沢女神(なきさはめのかみ)と呼ぶ。
以後、伊弉冊神は悪神の代表として機能する。
神去(かむさ)りました伊弉冊命は、死人として出雲の国と伯耆の国の境に葬むられた。出雲は何処(いづくも)ということで、また雲出ずる国ということ。これは世の中のどこでも乱れきっているということ、害となる情報がどんどん流されるということ。
一方伯耆の国というのは、掃はきということで雲霧を掃き払うと云うこと。よって伊弉冊命は、善悪正邪の分水嶺に立ったということ。
このままではいけないと伊弉諾命(いざなぎのみこと)は、わが子迦具土神(かぐつちのかみ)の首を十拳剣(とつかのつるぎ)で切って葬った。これは、戦争を以つて物質文明の悪潮流を一掃するということ。世界戦争は既に2回あり、大本事件は2回だが、物質文明の悪潮流は隆盛であるがゆえに、次の世界戦争があることが示されている。