◎ジェイド・タブレット-外典-11-15
◎世界樹-13
◎七つの惑星から情念と性質を受け取る
キリスト教以前にもエスカレーター、梯子のイメージが存在する。
ミトラ教では、霊魂はまず天上界に住み、その後肉体に閉じ込められることになって地上に降下する際に、霊魂は星辰界を通過するが、その時七つの惑星から、それぞれの情念と性質をうけとるものとされた。これが梯子であり、階梯である。
『その天界は、それぞれ一つの惑星に該当した七つの帯に区分された。八つの連続した門から成る一種の梯子があり、その最初の門は、七つの異なった金属で造られ、神殿の中では恒星のある最高区域に達するために辿る道程を象徴していた。(中略)
霊魂はこうした様々な圏域を越えていくにつれて、それが地上に下りてくる時に受け取った情念と能力をあたかも着物を脱ぐように脱ぎ棄てた。
すなわち月では生命力と養分の活力を、水星では強欲な傾向を、金星では性欲を、太陽では知的な能力を、火星では好戦的な血気を、木星では野心的な願望を、土星では怠け心を棄て去ったのである。
霊魂は裸になり、あらゆる悪徳や感情を取り除かれてから第八の天に入り、そこでは崇高な実在となって、神々が住む永遠の光の中で終わることのない至福を享受した。』
(ミトラの密儀/フランツ・キュモン/平凡社p105-106から引用)
ミトラ教では、七つの階梯の先で宇宙を飛び出したところに永遠の光があることが明示されている。これは、クンダリーニ上昇プロセスを象徴する。
このようにキリスト教もミトラ教も、梯子を通過して窮極に至るというビジョンを基本としていることから、クンダリーニ・ヨーガ型の霊魂の進化体系をビジョンとして持っていることがわかる。
興味を惹かれたのは、ミトラの役割である。ミトラは、死後の霊魂の審判役であり、天上界への上昇における信者たちの案内役である。天上からの道案内をしたのは猿田彦やヘルメスだったので、その役割はミトラと同じである。
猿田彦の庚申塔が現代になっても、日本の辻々にしっかり残って密かに信仰を受けているのは、猿田彦こそが、人間の進化のキーパーソン(キーゴッド?)であり、かつどこにでもいて、どこからでも悟りに至り得るというメッセージを携えているのだと思い当たった。