◎白魔術とは-1
○天意を読みしたがう
一般論として、現代人がオカルティックなものにかかわって生きると、まともな人生にはならない。
アストラル・トリップしたいとか、エーテル体のエクトプラズム出したい、神降ろししてモダンなシャーマンしたいとか、動機はいろいろあるのだろうが、自分が死なない者がそうした死の世界の技術であるオカルティックなパワーにかかわることは、現代の社会人にとっては、ほとんど自殺行為のようなものではないか。
知らぬが花ということはある。一度知ってしまったがゆえにその後思わぬ不満をかこつということもある。そんなものとしては、飛行機でファースト・クラスに乗ったばかりに、以後ビジネス・クラスやエコノミーに乗れなくなるなど枚挙にいとまはない。
飛行機の座席であれば、それに追われると言うことはないが、オカルティック・パワーになれば、足抜けするのは厳しい。クンダリーニ・ヨーガでいえば、悪霊を信じない者は、彼らに殺されることは決してないのだ。
黒魔術とは、自分の都合で、巨大なオカルトパワーを利用しようとするものであった。
それに対して、白魔術ホワイトマジックとは、先に天意があって、その天意に逆らったオカルトパワーの行使は絶対にしないこと。つまり白魔術師は、必ず天意を読む、天意を窺ってそれを感じ取る能力があること。そしてその天意に沿って動く性質があるものだということ。
典型的な白魔術師としては、明治から昭和にかけて活躍した古神道の出口王仁三郎や在野の神秘的大陸浪人笹目秀和、カルロス・カスタネダの小説に登場するドン・ファン・マトゥスなどがある。
彼らは、まず前兆あることを捉えて、次に初めてミスティック・パワーの行使を行うものだ。
出口王仁三郎は、昭和6年9月8日綾部の鶴山に三体の歌碑を建てて言うには、「これが建ったら満州から世界が動き出す」と。
果たしてその十日後の9月18日に満州事変が起こった。出口王仁三郎は更に日本の行く末を詠みこんだ「「瑞能神歌」の実現期に入った」と語ると、まもなく「瑞能神歌」は発売禁止となった。
これも先に「これが建ったら満州から世界が動き出す」という神意があったことを示す。
※瑞能神歌:
『『瑞能神歌』(大本神歌)(三)に「いよいよ初段と相成れば、西伯利亜線を花道」のシベリヤ線とあるのは、アラスカ、シベリヤ、モスコーの線のことで、シベリア鉄道のことではない。天羽英二内閣情報局総裁も言っていた。それならば鉄路とか線路とか書くのである。
昭和16年12月8日から初段目が開かれたのである。「天の鳥舟天を蔽ひ、東の空に舞い狂ひ、ここに二段目幕が開く」とあって、次に「三段いよいよ開くとき三千余年の昔より、国の御祖の選まれし、身魂集まる大本の・・・・とあって、途中(二段目)が書いていないのは、あまり悲惨だからである。」(昭和18年3月)』
(新月の光(下)/八幡書店/木庭次守編P65から引用)
初段は、第二次世界大戦。二段は、第三次世界大戦であり、シベリヤ線を花道にして、天の鳥舟舞い狂う、熱核ミサイル戦争なのだろう。三段は、戦後の新時代。とあるが、二段目はあまり悲惨なので、聖マラキも、王仁三郎も詳述していない。二段目を幻視してショックを受ける人もあるやに聞く。