◎女子レスリングのビネシュ計量失敗
レスリング女子50キロ級絶対女王須崎優衣を破り、決勝に進んでいたビネシュ(29歳=インド)が計量失敗で失格した。何でも前日に2,3キロの食事をとって、その後すぐに減量を開始、血を抜き、サウナで水を抜き、髪を切るという窮極の技を繰り出したが、150グラムオーバーしたらしい。
レスリングでもボクシングでも柔道でも試合前の減量のつらさのことはさらりと触れられるが、あまり詳述されることはないが、飢えというものがいかに恐ろしいものか痛感させられるシーンなのだろう。
昔、知り合いの二人が名古屋の方にあるという断食道場に行ったが、断食道場終了後に外に出た途端、甘いものやら、炭水化物ものやら食べまくり、餓鬼道に堕ちたと口をそろえて語っていたことがあった。ビネシュ選手も餓鬼道に一瞬落ちたのだろう。
身近な餓鬼と言えば、地域猫、野良猫。これは、本当に食べないと死ぬので餌をあさって、最近ではなくなったが、生ゴミの日は猫が餌をあさる姿が定番だった時期もあった。しろちゃん亡きあとも何匹か野良猫がえさにやってくる。ホンチャンの餓鬼はこちらの方である。
子供食堂の拡大は、親の貧困が原因。この25年株価だけが上がったが、親の所得は伸びないという政策をとってきた結果である。最近は夏冬のボーナス支給額が大きなニュースにならないが、非正規などそもそもボーナスが出ない人の割合が多いことにマスコミも気づいたか。
禅では、食事の際、食前に3粒程度のご飯粒を餓鬼道に落ちた餓鬼に施す。人は自分の髪の毛一本白くも黒くもできないように自分で自分の食欲をどうすることもできないこともある。いわんや餓鬼をや。モーセが泉を打ち出した奇跡もその伝。
実は、自分の食べ物写真をネットに上げるのも似たようなものである。ネット経由で時空を超えて存在する餓鬼が食するのだろう。
出口王仁三郎は、こうして上げた食べ物は、不味いと指摘している。
ともあれ須崎優衣さん銅メダル獲得おめでとう。パリ五輪は、選手村の食事、コロナ?の蔓延、審判の問題など課題満載である。