らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「トロ」の語源

2012-01-24 | 雑学

昨日のNHKの番組“ひるブラ”では、瀬戸内に浮かぶ香川県の直島が紹介され、その中で、ゲストがあるお店の店主から鮪の頭肉を出されて“中トロの美味しさである”と伝えていました。
マグロの大トロ、中トロが美味しいことは知っていますが、値段も張っており、年金生活をしている我が家ではとても口に入りません。

そこで今日は、せめて「トロ」の語源だけでもと思い、調べることにしました。

トロとは、ご存知のように寿司のネタなどとしてマグロの特定の部位の呼称であり、脂質の含量が高い腹部の身を指しています。
その語源は、肉質がトロリとしている事からで、この語の定着以前は脂身である事からアブと呼ばれていたそうです。

江戸時代以前では、マグロと言えば赤身を指し、赤身に比べ品質が劣化しやすいトロの部分は上等な部位とは考えられておらず、切り捨てられるか、せいぜい葱鮪鍋(ねぎまなべ)などにして加熱したものが食べられていたそうです。
定かでは無いものの、当時の苦学生が捨てられていた脂身の多いトロを食べていたとも言われています。

現在では動物性脂肪の旨みが広く知られるようになったことや、保存・輸送技術が向上したため新鮮でおいしいトロが食べられるようになり、トロといえば高級品といったイメージが定着しています。
なお、「大トロ」は一般的に腹肉前部、「中トロ」は腹肉後部のことだそうです。

また、この高級品と云うイメージを利用してマグロの肉以外でも、脂が乗っている状態の肉をトロと言う事があります。
例えば、カツオの刺身の脂が乗った部分はトロカツオと呼ばれており、北海道では生の牛肉を使った牛トロ丼という郷土料理があるそうです。
また、豚肉においても豚(トン)トロと呼ばれる部位が販売されています。

このような呼び方は、肉の種類にトロという明確な定義がないことから、マグロのトロが持つ高級品としてのイメージを借りて、販売戦略に利用しているものと思われます。

それにしても、江戸時代にはトロが切り捨てられていたとのこと、何て勿体無い食べ方をしていたのでしょうね。