らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

割愛する

2014-10-17 | 雑学

文化庁が言葉の本来の意味を解説しているページに「ことば食堂」があります。
今日はその中から、7月31日に公開された第7話「割愛する」をご紹介します。

会合などで、「説明は時間の関係で割愛します。」などと使われる「割愛する」という言葉ですが、
この言葉の本来の意味は (ア)不必要なものを切り捨てるでしょうか?
                  (イ)惜しいと思うものを手放すでしょうか?

皆さまはどちらだと思われますか?
「割愛する」は、本来、惜しいと思っているものを思い切って捨てたり省略したりすることを言います。
元々は仏教の用語で、人や物事に対する愛着の気持ちを断ち切ることを言いました。
従って、不必要なものを切り捨てる。又は、単に省略する。という意味ではありません。

ところが、平成23年度の「国語に関する世論調査」で、「説明は割愛した。」という例文を挙げて、「割愛する」の意味を尋ねたところ、本来の意味でない(ア)を選んだ人が65.1%に上り、本来の意味である(イ)を選んだ人は17.6%にとどまりました。

辞書を調べると、・「日本国語大辞典 」・・・(1)愛着の気持ちを断ち切ること。思い切ること。(2)惜しいと思いながらも省略したり捨てたりすること。また,惜しいと思い
                             ながら,相手に贈ること。
           ・「広辞苑」・・・・・・・・・・・(1)愛執を断ちきること。(2)惜しく思うものを思いきって手放したり省略したりすること。   
と説明しています。

「割愛する」は、近年、「省略する」などとほとんど同じ意味で用いられることが多いようですが、「惜しいと思うものを」という部分が意識されなくなってきているのではないかと言われています。

『割愛する』のその本来の意味は、『惜しいと思うものを手放す』です。
『単に省略する』という意味ではないので、注意したいですね。