KOFUKUの家から

演劇的体質の自由人
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南のちいさな森の家にて
芸術的田舎暮らし真っ最中

損して得(徳)せよ

2006-09-06 | KOFUKU日記
みなさんはNHKの朝のドラマ「純情きらり」をご覧になったことありますか?
私はテレビは興味のある番組以外はドラマなど全くと言っていいほど見ませんが、
この朝の連続小説と大河ドラマだけは見られるときには拝見しています。
特にこの番組は、戦前戦後の混乱期の中、芸術を志す人々が主人公で、
頭の固い日本の風土からは周りの理解が得られず、
苦難の中それでも自分達の心を信じ、希望を持ち続け、
道を歩んでいく姿が自分達の心ととても共鳴するのです。
特に音楽、絵、に深く関わるこの作品の映像や
バックミュージックは美しく、本当に楽しみに見ています。

以前こういうシーンがありました。
現実の世界に深く関わっているキャラクターの人は
生活力がなく、家族が苦難にあっても絵を描き続ける
その人の事がどうしても理解出来ません。
それで、いつも「そのあり方はどうか?」と意見をするのですが
あるときその人が出征する事になります。
みんなは命を大切に、と言いますが、その人は
「お国のために、そんな事を言ってる場合じゃない」
と答えるのです。
その時、その画家の人がこういいます。
「君の大学の専攻は何か?何を研究している?」
相手は「水滴の研究です」と答えます。
それを聴いて画家は微笑みます。
すると相手は何がおかしいとおこるのです。
画家は答えます。
「君がしている事は俺が絵を描くのと同じ。
傍から見たら何をやってるのか全くわからない。
長い年月をかけて、いつか誰かがそれに目を留めてくれたとき
初めて、ああこういうものだったかと判るものだ。
それがいつくるかも判らない。それならば
長生きしたほうがいいんじゃないか?」って。
私はこのシーンがとても好きでした。

同じように私の生活の中でも、私のしている事はなかなか認められません。
理由は「お金になっていないこと」
「人に知られていない(相手にとってメジャーでない)こと」
の二つだと言い切ってもいいと思います。
毎日「何のためにやってるの」
「お金にも出来ないものに意味あるの」
「どうせ趣味なんでしょう?」
等々、最初っから馬鹿にされる口調で言われます
そういう方の価値観では語れば語るほど理解されないので
あえて詳しく語ることはありません(笑)
だって、そういう人の芸術の価値観は、
自分が感動せずとも画集に載ってる絵であるとか、
テレビでレギュラー持ってるとかなんだもの(^^;)
それやってない私たちは最初っから話になんないわけです。
でも、面白いものでそういう人も居れば、
とても理解してくれる人も居ます。
昨日もそういう方がおりまして、元気をもらいました。
仕事場で、私にいつものごとく、私の生き方を嘲笑する発言がありました。
すると、横にいらしたお客様が言いました。
「Rayeちゃん、損して得しろ、だよ」
「損して得しろですか?」
「そう。いいかい、あなたに今、暴言を吐いた人間はね(笑)
この言葉を文字で書けって言ったら、絶対に損して得すると書く。
あの人種は得てして「損と得」でしか生きてないからだ。
けれど、あなたはね、「損して徳する」と書ける人間であると覚えておきなさい。
どちらが正しいと言ってるんじゃないけどね。
Rayeちゃんはこの嘘の飛び交う場所で嘘をつかない。
それをまわりは馬鹿だって言うだろう。
でも信念もって馬鹿をやれるってのは勇気がいる事なんだ。
周りはそれをやる勇気がないから言うんだよ。
そういう人はお金のために仕事をする、商売をする。
欲しいのは「得」だから。
でも、働くというのは、傍に居る人が楽になること、
商いというのは、自分の仕事を飽きずに続けられる事、だよ。
そこから得られるものは「徳」
「得」は使っちまえばおしまい、あの世にも持っていけない。
けれど「徳」は一度手にしたら消えない。
あの世にも持っていける財産だ。
だからあなたは何を言われても、徳を得る人になりなさい。
あなたは芸術をやっているんでしょう?
それも、それが本当に好きなんだね。それがとても判る。
それは選ばれたって事なんだから誇りを持ちなさい。
何が大切かを決めるのは自分だよ。
その自分を一生懸命生きられなければ芸術にもならない。
あなたが一生懸命生きられるからこそ、それが認められるときも来る。
今がそうじゃないからって意味がないとしか判断できないような
感性のない人はあなたが認められてもそれを理解する事は不可能なんだから、
なんにも気にしなくていい。
そんな事を気にするより、常に笑顔でいなさい」
と、ありがたいことに五時間くらい励ましてくださいました。
その方は科学者でいろんな発明をなさっていますが
なかなか大きなお金には結びついていないようです。
そして、やはり言われる事が奇抜で深いので
軽く話をする人には「変わってる人」なのですね。
だから、私にいろいろ言う人から見たら
「頭はよくても、お金に出来ないんだから駄目な人」で
「類は友を呼ぶのね~」って言われて終わりなんですけどね
でも、この「徳」という言葉は深く心に残りました。
私に与えられた使命と才能を使って、
自分が仕事をするときに、自分も他の人も幸せになれるように、
徳を拾って歩ける人間になりたいものです(^^)