KOFUKUの家から

演劇的体質の自由人
大きな愛にいだかれて
チワワたち猫たち
南のちいさな森の家にて
芸術的田舎暮らし真っ最中

愛おしいもの

2009-07-25 | KOFUKU日記
今日は土曜日。コトコトバのレッスンの日だった。
今日の土曜は皆さんお忙しくて、夏の休憩日となった。

そんな日、レッスンを申し込んでくださった中一のゆうすけくんとママ。
ダウンの子どもたちは感受性が豊かで、それだけに環境の変化に過敏に反応したりする。
たまたま同じグループのメンバーさんがたのキャンセルがあって、
最終的にゆうすけくんだけのお申し込みになったので、
今日はグループメンバーがお休みになって
お一人のレッスンになりそうですが大丈夫でしょうか?
とご連絡を入れたところ、
「いま向かっていますが、行ってもよろしいでしょうか?」
と電車の中からわざわざご連絡を下さった。
一人なので、レッスンが御休みになっても仕方がないし、
と思っていたけれど、ちょうど良い機会になると思い、
今日はレッスンではなく、お二人とお話をさせて頂くつもりで
「お待ちしています」とおいで願った。

ゆうすけ君は同じグループの中では一人だけ中学生。
今も優しい顔立ちで小学生と同じようなピュアさはそのまま。

けれど、何かが全然違う。やっぱりもう「中学生」
とってもとってもかわいらしいのだが、
もうどこかが「ぼく」ではなく「俺」って感じなのだ。

もう児童ではなくて「青少年」、まさしく青い春の真っただ中
「男」への階段をのぼり始めているのだ。

だからレッスンでも仲間たちの小さい子たちの楽しめることに
ぱっと一緒に参加するのに中学生らしいテレがあるのだと思う。

それでもってちょっとシャイで、そして優しいゆうすけ君は
他のぼくちゃん達が子供らしく私たちに接している時は
きっとお兄さんの感覚があるのだろうな、あまり近寄ってきてくれなかった。
以前からそこが気になっていて、一度、本人やお母様とゆっくり話し
これからのレッスンを楽しいものにしていきたいな、
と思っていたので、今日の機会はとてもありがたいことだった。

でもレッスン費を頂いておいてお話だけをうかがうことは出来ない。
なかなかそんな機会はなかったが、ちょうどグループレッスンで
お申し込みが1人になってしまう場合だと
グループ料金には個人レッスン料金が発生しないので
お金を頂いても場所の基本使用料を払ったら残額が交通費に満たない。
となれば、レッスン無しで気楽に遊んで行ってもらったついでに
いろんなお話をさせて頂くのが双方にとってはちょうど良かった(^^)
そんな機会がちょうど重なってとってもラッキーだった。

暑い中をおいで下さったお母様とお庭に面する椅子に座って
いろいろなお話を伺わせて頂いた。
ゆうすけくんは一人、こちらをうかがいながら遊んでいる。
ゆうすけママはゆうすけ君に目線をおくりながら話してくださった。

お話一つ一つの中にママやパパの思いが感じてとれる。
ゆうすけ君が生まれ、子育ての中での喜びも楽しみも
悲しみや苦しかったこと、すべての中に確実に存在していたのは
「愛おしい」
という心。
それが深く伝わってきた。

そうやってゆうすけくんの話を伺いながら彼を見ていると
いつもの仲間の中にいるゆうすけ君では無い彼がそこにいた。

じーっと彼の中に入るように見つめていると、
ゆうすけ君も私を観る、そして照れて笑う。
今まで、そういうことはなかった。

ゆうすけくんはうちのぴーちゃんをとても好きでいてくれるが
ぴーちゃんが吠えるのでちょっと近くには寄れない。

なのでぴーちゃんを抱き、部屋の隅から
ゆうすけ君に向かって、ぴーちゃんに手を振ってもらった。
すると、とたんに本当にうれしそうに笑顔になって
「かわいい」
といってくれた。

そのとたん、ぴーちゃんが変わった。
ゆうすけ君が動けば吠えはするが、じっとしていると自分から寄って行く。
好き、という気持ちは愛の心を動かす。
つまり平安、相手の中に安心感や安らぎを生むのだろう。

それで、私もゆうすけくんに同じことをしてみようと思った。
そしてほんのわずかの時間、隣に座って言葉を交わした。

「ねえ、ちょっと話しようよ。隣にどうぞ。」

とソファの隣をすすめると照れながら座ってくれた。
でも、照れながらもゆうすけ君が喜んでくれたのがとても良く解った。

声をかけて隣に座る。意識を彼だけに向けてみる。
たったこれだけのことだが、ゆうすけくんはとても喜んでくれた。
私にはそれがとても良く解った。
そして、その後、私がお母さんのところに話に行くと
傍にきてくれてピースを差し出し、私のピースの指先とくっつけてくれた。
彼は少しだけ、彼の領域に私を迎え入れてくれたのだと思う。
とても嬉しかった。
私はもちろん彼の母親ではないが
「愛おしさ」が込み上げてきたのは言うまでもない。

会話は相手の心と自分の心をつなぐもの。
そのためには言葉を交わさなくてはならない。
けれど思春期を迎えた少年は一人の世界を少しづつ広げていく。
自分の中に言葉が生まれ、そして、それを自分の中で処理するようになる。
そうなると会話をすること事態が難しくなってくるのだと思う。

その世界に向かう彼とここで今、会話の種を撒けたのは本当によかった。
そうして種が育てば、きっとたくさんの会話の花が咲くのではないかと思う。
それがこれからとっても楽しみ。
そして彼にぴったりな言葉をレッスンを通して
一緒に見つけていけたらと心から願っている。

今度は他の子どもたちともそんな機会が持てたらいいな。
愛おしさを育てる時間。そういう時間が。


私には子どもはいないけれど、大いなる生命を縁あってお預かりしている。
チワワのぴーちゃんがその大事ないのち。
やはり彼女には多くの親御さんと同じような感情が生まれるんじゃないかと思う。

たぶん、相方の方が私なんかより全然彼女をいとおしんでいると思うけどー。
(二人の愛の間には入れません・笑)

実はこのぴーちゃん、生まれた時は他のチワワの半分も大きさが無かった。
家に来るとき「この子は育ちません、責任取れません」と言われた。
この通り、元気いっぱいには育ったが、病院通いが激しい。
足は両足、ひどい膝蓋骨脱臼だし、お腹はゆるくて下痢ばっかりするし、
目が大きいのでしょっちゅうトラブルが起こる。
果てには重度の気管支拡張症で不治の病持ちだったりで
一年ほど月に8万円くらいかかる治療費がかかっていた。

それも落ち着いていたが、このところ眼の状態や身体に
ちょっとした症状が出て、相方と心配していた。
病院で様子見と言われてはいたが、とうとう今日、
眼などの潰瘍や眼圧が高くなっていることや、
しこりが少しだが大きくなっていることが分かり
少なくとも眼薬は一生付き合うことになるだろう、
このまま広がるようなら失明もありうるかもしれないし
しこりも腫瘍の可能性大と言われてしまった。

検査も定期的にしないといけなくて病院通いがまた始まることになった。
相方は愛おしいわが子の状況に泣かんばかりで心配している。
私も同じだ。かわれるもんならかわってやりたい。

さらにささやかな暮らしを営む我が家での一番の問題は医療費。
言われたことを元に計算すると月に4,5万はかかる可能性が大きい。

目薬、一生。。。
その眼薬、最低でも1日5,6回、2種類を点眼していくそうだ。
この点眼量の調子でいくと、点眼薬は3,4日しか持たない。
ちなみに2種類で3500円もしちゃうのである。。。。

さらに明後日の検査で眼圧が高ければ、
それをコントロールする薬も飲まなくてはならない。
週に少なくとも最低10000円はかかるってことだ。

私は現在失業者と変わらない。(ってかいつもだけど)
今この形をとって働いているのは元々身体が弱くて無理ができないからだ。

確かにこれからお金は必要。
でも状態の悪いぴーちゃんを一人家において
遠くに働きに出るのはもっと忍びないし不安だし。。。

そうだ!何より、1日5,6回眼薬入れないといけなくなったのだ!

うーん、これからどうしよう。。。と思っていたら、
スタッフのカンナちゃんがこんなメールをくれた。

「この夏、頑張って楽しんで商品を作って売りましょう!
ぴーちゃんの医療費の足しになるように頑張りましょう!」

とっても嬉しかった。ありがたかった。
そう思って協力してくれる人がいるだけで心強い。
カンナちゃんに心から感謝です。ありがとう。

とにもかくにも「可能性」がないわけではないから。
これ以上ひどくならないように祈りながら守って行ってあげたい。

このくるくるした眼が見えなくなる可能性が大きいなんて
ショックでしかないが、受け止めて先を考えたいなと思います。
愛おしいこの子の為に。

愛を持って手仕事雑貨さんたちを仕上げて参りますので
ぜひミニショップお立ち寄りくださいね。
来週からネットショップもオープンしたいと思います(^^)
ご愛顧のほど、何とぞよろしくお願い致します。


ぴーちゃんに生徒さん。
同じように愛おしい人たち。
大事に大事に同じように愛を持ってお付き合いしていきたいです。


ぴーちゃんが良くなりますように

ミュージカルって楽しいね!!

2009-07-24 | 夢の街手しごと工房
普段は工房として使わせて頂いてるリトルマーロゥ。
ダウン症のお子様を中心に言葉のレッスン《コトコトバ》では
(レッスンというよりも遊びを中心とした中で
言葉を紡ぐこと楽しめるようにすることを大事にしているクラスですね)
時々お母様方からのご希望を伺って特別レッスンなんかも行っています。

実は今度、このコトコトバ小学生のクラスのお子様とお母様が、
某劇団○季ミュージカル「ライオンキング」を観劇することに相成りました~。

元ライオンキング出演者(エド役ね)の米澤さんが、
現在出演中のK・T様にお願いして下さって、
子どもたちの為にチケットを押さえて下さいました。
(お二人とも子どもたちの為に本当にありがとうございました~感謝です!)

ミュージカル観劇は初めてのお子様もおりまして、
ダウンちゃんズには夏休みの思い出深い経験となりそうです。

そうしましたらお母様のお一人から「ライオンキング」と
ミュージカルについて、元劇団○季の私にレクチャーの依頼がございました(笑)

そこで観劇を一週間前に控えた水曜日の夜。
「ミュージカル・ライオンキングを楽しもう!」の夕べが繰り広げられたわけです~!

集まってくれたのは観劇に行く6組の親子様と大家さんの長谷川先生。
コトコトバ土曜日午後メンバーのゆうすけくん、かいとくん、
あきちゃん、ゆたかくん、まもるくん、そしてけんとくん。
総勢15名で狭い会場も熱気でいっぱい。

ちょっとトラブルがありまして、始まりが少し遅れたんですが、
早くから集まってくれたキッズたち(いや、ママちゃんズも・笑)
そりゃあ、にぎやかで~!(笑)

この子どもたち、2時間余りを舞台を静かに見られるのかっ???
っと、先生は一抹の不安もよぎりましたがぁ~(笑)、
とにかくレクチャー開始。

まずは劇場では「飲み物やおやつは食べられません」(笑)から始まり、
他の人に迷惑になることはしないなどの基本的なルールを説明して、
きちんとお約束を守ってくれるようにお願いして、
みんながんばりまーすとお約束してくれました。

でもね、とっても素敵だな~。感動したなあ~と思ったら、
いっぱい拍手したり、素敵~って言っていいよって伝えました。
感動したら言っていいんですよ、その場でね、うん。
あたしはそう思う。

そして、「ミュージカル」ってどんなお芝居なのか?や、
「俳優さん」ってお仕事はどんなお仕事なのかのお話をしたり、
ライオンキングに出てる俳優さんはどんな練習をするかを伝え、
それから、ライオンキング(ディズニーバージョン)の絵本を読み、
キャラクターの名前と性格を一通り説明しました。

もう、この辺まで来ると、子どもたちもお母さん達も
だんだんライオンキングの世界に心が向いてきたようです。

そこでライオンキングの舞台はアフリカのサバンナであること。
幕が上がるとそこにあるのは「舞台」ではなく「アフリカの大地」であること。
出てくるのは動物たちや自然の中の生き物たちだということを説明して
みんなでズールー語のナンバーを聞きました。

それから~、あえて○季バージョンのパンフレットではなく
ブロードウェイバージョンのパンフレットを使って
アニメのキャラクターが舞台ではどういう風になってるのかを紹介。
(写真はそのパンフレットの写真に興味津津の子どもたちです^^)

それから少しだけ舞台の感覚をつかんでもらおうと、
以前放送されたライオンキング特集のVTRをプロジェクターで流して
舞台のシーンを鑑賞して楽しみました。

くしくも米澤さんがエド役でご出演なさっていたものなので、
米澤氏をご存じのお母様方は大変お喜び下さいました~(笑)
いつものあのお兄さんが~!!みたいなね(笑)

ビデオ鑑賞の後は子どもたちはもうすでにサバンナの動物状態(^^;)
今見たばっかりの動物たちのマネをしてとっても楽しそうでした。
感受性豊かなダウン症キッズちゃんたち、
きっと観劇の日もものすごく楽しんできてくれると思います。

え~、30日、劇団○季LK班の皆様、途中で子どもが立ち上がって
一緒に歌い踊り出したらきっとうちの子たちです(笑)よろしくお願いします!

実はこのコトコトバメンバーのキッズちゃん達の多くは
ヒップホップダンサーなのでありますよ~。

以前、24時間TVなどでも紹介された
ダウン症児のダンスチーム「LOVEJUNX」のメンバーなのです。
そのLOVEJUNXの指導者の方を紹介したNHK-BS2の
「女子力」が昨夜放送されました。
見逃した方のため、再放送のお知らせです。

7月26日(日)8:50~9:00 再放送
7月29日(水)23:45~23:55 再放送
NHK-BS2にて放送されます。

牧野アンナさんのインタビューを通してLOVEJUNXを紹介しています
ぜひぜひはじける子どもたちに出会って下さいね(^^)

そのうち、コトコトバでもミュージカルに挑戦の予定です。
って、いうか、30日以降のコトコトバ、
きっとライオンキング一色のはず。。。。(笑)
彼らの素直な反応がとっても楽しみです。

ダウン症の子どもたちは、健常の子どもさんより、成長がゆっくりです。
ですから、今までやってきた子どもたちとのレッスンの様には
その場で答えがカーンとは響いて帰ってきません。
その場で遊ぶことから楽しんで学びを理解をさせ、
そして子どもたちの自信とする事を得意としてきた私には
彼らのテンポは本当に新たなメロディです。
その美しさを彼かから学ぶことから始めています。

彼らの音楽はリトルマーロゥの意味合い通り、
時に激しいけれど少しずつゆったりまったりです。
通常の感覚で見るとレッスンもただ遊んでるだけのように思えるかもしれません。
お母さん達もきっと「これレッスンなの?」とヤキモキするかも(^^;)

でもでも遊びって大事なの。子どもはそこで成長していくんですもん。
彼らの中で遊びはまろやかに熟成されて
ゆっくりと言葉の種となる、と私は信じています。

カーンと響いて、直接答えにつながることが難しい分、
何度も繰り返し、そして楽しく過ごすことに意味が生まれてきます。

何気ない日常を意識して行うことが、そして声を上げて楽しんで笑うことが
大きくなったとき、彼らの中に「本当の言葉」を生み出すのだと思います。

なぜなら「言葉」は私たちの「感情」つまり「こころ」や
「身体」と深く結び付いているからです。

その身体を使って感じる事、心が深く受け止めたこと、
楽しかったこと、悲しかったこと、苦しかったことも
経験のすべてが言葉につながります。

ただの遊び、と思うものが、いつかその心と繋がってると分かる日が来るのです。
私はそんな日が訪れた子ども(その頃はもう大人かな)たちと
一緒に「会話」できる日を心から楽しみにしています。


さて、変わって木曜日は妹のお友達のお子様でプロの子役さん、
テレビやCMなどで活躍しているミュージカル大好きの
「ひびきくん」がレッスンに来てくれました。
ひびきくんはとっても明るくて爽やかな小学校5年生です。

それはそれは熱心で、発声の基礎から歌の表現までばっちり2時間、
しっかりとついてきてくれました。
その熱心さにはスタッフのカンナちゃんも感心するばかり。
ミュージカルが大好きだから吸収する力はすごいものです。
その好きって力がたくさんの種を作っていくのです。
頑張れ、頑張れです!

ダウン症キッズちゃん同様、ひびきくんも
将来はミュージカルスターになるのを先生は楽しみにしておりますよ~!
いや、ぜったいになるけどね、うん、あたしが教えてるんだから(^^)

こんな素敵な力を持ったキッズたちに囲まれて素敵なパワーをもらっています。
みんな、本当にありがとね!
そしてみんなに持てる力の限りのパワーをセンセも送るぞ~!

この夏もみんなで楽しく過ごそうね!

いやいや~、ほんっとミュージカルってパワーあります(^^)
この仕事をしていてほんとーによかったなあ~。

神様どうもありがとうございます!

今日の教科書

2009-07-19 | 夢の街手しごと工房
今日もたくさんの方がおいで下さり、無事にクラスが終了。
午前のクラスのかすみちゃん、しんじくん、ゆうせいくん、あいちゃん、ありがとう。
夏休みの目標、頑張りましょう(^^)
お母様方も毎回ありがとうございます。

午後のクラス、ゆたかくん、どうもありがとう。
とっても楽しかったね、またゲームしようね。

今日のクラスのテーマは「聞くと話す」
みんな、たくさんの経験と言葉を持っていて、たくさんのお話をしてくれました。

たぶん、一般の方から見たら、これは授業なの?
と思うこともいっぱいあるでしょうね。
ただ話しているだけに思われるかもしれないけれど
「話す」ことを意識して話すのと、ただ話しているのでは全然違うのです。
それも目的を持ち、それに意識を向けて話すのには集中もいる。
そんな機会をあえて意識して作っていく、
そんな繰り返しが結果を生んでいくのだとおもうんです。
遊びのように見えても、それが私のクラスの大事な役目だと感じています。

そして教えている私はその会話から皆を少しづつ深めて知ることができます。
そして皆を知ってくのはとても大きな喜びです。
皆さんに出会えたことに感謝です(^^)

遊びに来て下さったAさんとひなたくんもありがとう。
また来て下さいね。

リトルマーロゥのレッスンはオープンスケジュールなので
皆様からのご相談にてレッスン時間の調整をいたしております。
お気軽にリトルマーロゥHPのフォームからお問い合わせくださいね。

ちなみに今日のおやつはチョコバナナケーキでした(^^)