交換したタイヤの慣らしを兼ねて『自由が丘美術館』までやって来た。
横々道路と第三京浜を乗り継いで30分で到着。
鈴木仁四郎先生の作品、仏像達のお顔を再び拝見するためです。
実はこの『自由が丘美術館』、九品仏の名で知られる浄真寺のすぐそば。
まずは閻魔堂に立ち寄る。
『閻魔様』と恐ろしい形相の『奪依婆』(だつえば)が
にらみをきかせている。この『奪依婆』は、三途の川の渡し賃を
持ってこなかった亡者の服を剥ぎ取る役目だとか。
何とこわいお顔なのでしょう。
『奪依婆』を見たい人はこちら→ 『奪依婆』
奥の三つのお堂にそれぞれ三体づつ阿弥陀如来が
安置されています。この九体の仏像が九品仏です。
本堂には釈迦如来、いずれも薄暗いお堂の奥に鎮座して
おられます。 残念ながら外からガラス越しに見るしかありません。
そんな訳でここでは仏像の表情もよく分かりませんし、写真は撮れませんでした。
手前が本堂そして大きな屋根は仁王門
本堂前の賽銭箱には大きな三つ葉葵の紋所
小さな池の辺に植えられたさぎ草にカメラマンが群がっていました。
順番を待つほど気長の性格ではないので、脇からスナップショット。
そして『 鈴木仁四郎 仏写展 』へ
銀座『秀友画廊』の浅野さんと
この薬師如来様が出迎えてくれました。
あの恐ろしい形相の『奪依婆』を見た後は
心にストレスが残っています。
それがこのお薬師さまの顔を見た瞬間に
スーと消えた気がしました。
『 鈴木仁四郎 仏写展 』 8月8日(土)~8月19日(水)
am11:00~pm5:00
過去の写真展の案内を見ると、鈴木仁四郎先生は、ER基地の近くにも撮影にいらっしゃった事があるんですね。
それにしても先生の写真の仏像は、撮影の光の加減もさることながら、どれも大胆にトリミングしてありますね。
素人はどうしても頭全部を入れたり、背景を入れたりしたくなるものです。
やはり、そのあたりの感性が凡人との違いなんでしょう。
九州でも多くの仏像を撮影されています。今回の個展でも
宗像大社の釈迦如来が出品されています。宗像大社とい
うと神社のはずですが、仏像があるのですね。
仏像鑑賞の仕方は様々だと思います。例えば薬師如来の
薬指の曲り具合や十一面観音の頭部に小さな十の頭部の
出来具合とか、一木作りか寄木作りか、衣の流麗さなども
そのひとつでしょう。その存在意義というと大げさで宗教臭
くなってしまいますが、仏教仏像が民衆の物ではなかっ
た時代もあるのですけれども、仏像本来の役割は民衆の
願い、悲しみ、苦しみを聞き取り、慈悲を与える事だと思う
のです(私見)。
そう考えますと仏像の最も単純な、そして本来の見方は
顔の表情なのだ、と鈴木仁四郎先生はお考えなのだろうと
私は思っています。それをカメラという媒体を使っていかに
見せるか、いかに表現するかお追求した結果なのだと思い
ます。
私も先生の作品をはじめて拝見したとき、kickerさんと同じ
様に思いました。