たぶん2017年のブログです
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小倉清さんと小林隆児さんの『こころの原点を見つめて-めぐりめぐる乳幼児の記憶と精神療法』(2015・遠見書房)を読みました。
なかなかすごい本です。
お二人が、精神科臨床での経験から、乳幼児体験の重要性と精神療法の可能性を論じていますが、びっくりすると同時におおいにうなづけるお話で、参考になります。
また、小倉さんの提出された四つの症例はどれもが壮絶で、臨床家としての覚悟を問われるようなものすごい症例です。
ふつう、統合失調症の発病期は思春期が多いといわれますが、小倉さんによれば、思春期になって病気がはっきりとするだけで、ていねいに見ていけば、もっと小さい頃からその兆候は掴める、といいます。
そして、小倉さんは、最近の医学部に入るための2歳児からの塾があったりする例をひいて、そのような現象に代表される親子関係の危険性を指摘します。
また、お二人の対談では、土居健郎さんを参考に、日常語で診断を考えることの大切さや患者さんの腑に落ちるような普通の言葉を大事にすることなどが強調され、臨床を行なう中でおおいに参考になります。
いつまでも、「熱く」、しかし、冷静に、細やかな感性を失わずに治療を続けていらっしゃる小倉さんを目のあたりにして、じーじもさらに真摯に臨床に取り組んでいかなければならないと反省をさせられた一冊でした。 (2017?記)
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2019年の追記です
精神科デイケアにお邪魔していると、高学歴のかたが多いのに驚きます。
東大、東北大、音大、新潟高校(県内一の進学校です)、その他の有名校などなど。
小さいころから真面目に勉強をされていたのでしょうか。
それから、ピアノがうまいかたが多い。
難しいクラッシックの曲をうまく弾いていらっしゃいます。
びっくりするのは、女子だけでなく、男子もけっこういらっしゃること。
親にいわれて始めたのか、自分から希望されたのか、とにかくすごいです。
さらには、習字のうまいかたがやたらに多い。
じーじなど、はずかしくなりますが、みなさん達筆です。
自分から習いたくて、頑張ったのなら幸いですが…。
みなさん、真面目ないい子だったのでしょう。
ここから何かがいえるわけではありませんが、そういう現実が目につく精神科デイケアです。 (2019.5 記)
実は私の男孫は場面緘黙症なのですが、ビアノが驚くほど上手くバイオリンも弾きます。硬筆も東京都○○区で金賞をいただきました。私は娘がどんな育て方をしているか知りませんが、娘は自分から勉強を頑張る子でしたから、孫もそうであると思っていました。が、ひょっとして、娘が無理強いをしているかもとこの記事を読ませていただいて心配になりました。
じーじの書き方が不十分で、不安を煽ってしまったのなら謝らなければなりませんが、もちろん、病気はいろんな原因が絡んでいますので、育て方だけに原因を帰することはできません。
すばらしい才能を伸ばすことで、自分に自信がついて、緘黙症がなくなる事例もあると思います。
お孫さんが人生を楽しめることを願っています。