どうもこんばんは、そうだいです。まぁ~梅雨らしい日々が続いておりますな。朝っぱらから逆に気持ちがいいくらいのドカ降りだったりしてねぇ。まさしく「雨の音にぞおどろかれぬる」って感じで風雅でよろしい。
今日はわりとヒマだったもんで、ふらふらっとほっつき歩いては忙しいときに買えない日用品みたいなものを買ってまわったんですよ。
Tシャツと、靴下と、あれとあれ……
だいたい思いつくものは買い終わりまして、自転車のかごに乗せて家に向かい、最後に道ばたの自販機で缶コーヒーを買って、それもかごにポンッと入れたんですね。
そしたら……
買ったもの、ぜ~んぶ緑色なの。
自分で自分がこわくなりました……Tシャツも緑、靴下も黒地に緑のもようが入ったやつ。あれもパッケージに緑が、これもフタの色が緑。そして、最後に買った缶コーヒーもネスカフェの「生豆ブレンド」ってやつで、「生」感を押したイメージだったからコーヒーらしい黒とか茶色じゃなくて、明るい緑色……
はっ! そういえば、さっきから片手に持っているカサも緑。
これで着ている服まで緑色だったら立派な「緑衣の鬼」ビンゴだったわけなのですが、さいわいなんとかジーンズに赤いシャツだったのでギリギリ正気をたもつことができました。
しかし、他人には見えていないが私は知っている。今はいているトランクスパンツが緑色であることを……ギャ~!!
気がつかなかったね。「アラ、これも安い、これも安い。」みたいな主婦感覚で買っていたもんで、色彩のかたよりに完全に目がいっていませんでした。
いかんなぁ~。ちゃんと全体でものごとを観ないと。
そういえば私、最近は食欲自体があんまりなくなったのでそういう失敗はなくなったのですが、昔ハラがへってしょうがなかった時に、よくコンビニとかで弁当だ総菜だお菓子だなんだという食べ物を欲望のおもむくままに買いあさって家に持ち帰って落ち着いて見なおしてみたら、
「しょっぱいもんしかねぇ!」
「なんでカレーライスとカレーパン同時に買ってんだよ! インド人もビックリだよ。」
って経験、よくしたんだよなぁ~。変わってないね。
ただ、今回の「緑衣の鬼なりかけ事件」には、そういった私のあほさ加減とは別に思い当たる原因がありまして。
これはもしや、最近よく「緑色のものを目にしている」ことによって生じてしまった無意識のすりこみ効果なのではなかろうかと!
何回か前からおりにふれてつぶやいていることなのですが、私、最近自分の中で未曽有の「バットマンブーム」が到来しております。まぁ、そろそろ落ち着くかというころなのですが。
来年公開される予定で現在撮影中だという、うわさの『バットマン ダークナイト・ライゼズ(仮題)』。
2008年の『ダークナイト』が空前の大ヒットとなった俊英クリストファー=ノーラン監督の「バットマン3部作」の最終作となるらしい次回作なわけなんですが、そこらへんを見越したのか、近頃とみに書店で邦訳された「バットマン」原作アメコミが販売されているんですね。
で、さすがにぜんぶを買いそろえることはできないんですけど、特に気になる作品を買っては読みあさってるんですよ、今。
最近ラッシュのようにどんどん出版されているのは「小学館集英社プロダクション」が刊行しているものがほとんどなのですが、だいたい1冊のお値段は2500円前後といったところでしょうか。
でもね~、読んでいただければわかると思うんですが、高くはないんですよ、これ! ちなみに小学館集英社プロダクションというのは小学館の系列出版社で、集英社の出資も受けているのでこういうドリームタッグ的な社名になっているんだそうです。すげぇネーミング!
高くないどころか、最近ちょっとずつ安くなっている印象もあるなぁ。現に、私が数年前に他の出版社から買った邦訳アメコミは3500円くらいがざらでしたからね。
そのくらいのお値段になるのも仕方ないんですよ。だいたい、本としての作り方が日本でいう「マンガの単行本」とはおおちがい。
本編は基本的に全ページフルカラーだし、原作者と作画者とインカー(色をつける人)の分業体制でそれぞれが全力で取り組むもんだから1コマ1コマの重みがハンパじゃない!
やっぱりねぇ、「コミックス」じゃなくて「グラフィックノベル」なんですよ。絵画つき小説なんですな。
しかも、特に「バットマン」シリーズは1986年の革命的作品『ダークナイト・リターンズ』を境として、「より深刻なテーマに取り組んだ方がバットマンらしくてよろしい。」という方向性に集束されていくようになり、ちょっと子どもが読むコミックじゃない、といった色合いの名作が多く世に出ていくこととなりました。
「ダークなバットマン」というイメージは、それこそ何千円かを払ってアメコミを買わなくても、ティム=バートン監督やノーラン監督による映画を観てもらえればわかるかと思うのですが、1939年に『ディテクティブコミックス』で誕生したそもそものバットマンは単純明快勧善懲悪のヒーローだったはずで、思えば遠くへ来たもんだ。そういう意味では、バットマンの狂気をおさえる「健康的な相方」でもあったサイドキック役のロビンがちゃんと登場したジョエル=シュマッカー監督の『フォーエヴァー』と『&ロビン』のほうがむしろ原点に近いものだったりして。ただ、そっちはそっちで俗っぽすぎたりシュマッカー監督の「趣向」が爆発したりして変な出来になってしまったわけで……「明智小五郎と小林芳雄」もそうだと思うんですけど、作り手が「バットマンとロビン」のあいだに濃厚なソッチ系の空気を作るのは蛇足ですよね。見ようによってはそう妄想できないこともないって程度におさえておく。それが腐男女のたしなみってもんです。
話がそれましたが、要するに最近私が見ているアメコミ『バットマン』は、とにかく暗い、硬派、重苦しい! あんたたち、ガチンコすぎんのよ!
アメコミってことで読むこっちが身構えてしまっているからかもしれないのですが、普通の小説を読むよりも疲れちゃうのよねぇ。
今のところはこんなのを読みました。
『バットマン ザ・ラスト・エピソード』(原作・ニール=ゲイマン 作画・アンディ=キューバート)
『バットマン ラバーズ&マッドメン』(原作・マイケル=グリーン 作画・デニス=コーワン)
読み応えありまくり。
『ザ・ラスト・エピソード』は、原作者のゲイマンが手掛けた「バットマン関連」の中編・短編5本を1冊にまとめたもので、結果として5人の作画者によるまったく違った作風が楽しめるので非常にお得、というかけっこう疲れる盛りだくさんな内容になっています(アンディ=キューバートは表題作『ザ・ラスト・エピソード』のみの担当)。
ゲイマン本のほうの目玉は、なんといっても「バットマンシリーズ公認の最終回」という大看板のつけられた70ページの中編『ザ・ラスト・エピソード』(2009年4月発表)です。
とはいうものの、『スパイダーマン』のマーヴェルコミックスとならぶアメコミの老舗中の老舗・DCコミックスの、あの『スーパーマン』とならぶ世界的な有名ヒーローであるバットマンシリーズが簡単にこれでおしまいとなるわけもなく、この『ザ・ラスト・エピソード』で「死んだ」はずのバットマンは翌年の2010年5月からまた新シリーズを再開させているようです。
だからといって、この「バットマン死す!」という売り文句の『ザ・ラスト・エピソード』が「最終回サギ」なのかというと、さにあら~ず!
ここが原作者ゲイマンの真骨頂なのですが、彼はバットマンシリーズがこの作品で「終わらない」ことをちゃーんと見越しているのか、
「この作品のあとに新たなバットマンの活躍が始まってもおかしくない最終回」
というとてつもないウルトラC的な名作を創り上げているのです。
もち、「ただの夢オチ」なんていうもんではない! しっかりと感動できて、最終回なのにいつかまた、ふたたびバットマンの勇姿に出逢うことが楽しみになる作品なんです。
どういうつくりになっているのかは言うだけ野暮ってものなのでヒミツにしておきたいのですが、ヒントらしいものをガマンできずに言わせていただきますと、私はこの作品の作画を担当したキューバートのタッチや人物の動きが、日本の荒木飛呂彦先生のものに非常に通じるものがあると思ったんですよね。
で、荒木先生と言えばなんつっても『ジョジョの奇妙な冒険』なんですが、私はこの『ザ・ラスト・エピソード』を読んだ時のものとけっこう似た感動を、『ジョジョ』の第6部を読みおえた時に味わったたんですよ。
だからといって、それとこれとがまったく同じオチだと言うつもりはさらさらないのですが、どちらもともに、今現在私が生きているということに感謝したくなるような、広大無辺ななにかの力を感じてしまうようなものだったんですね、はい。
単行本としての『ザ・ラスト・エピソード』には、表題作のほかに4本の10ページ前後の短編がおさまっているのですが、これまたピリリと小技の効いた粒選りの作品ぞろいとなっております。
私はバットマンシリーズの名ヴィラン(悪役)リドラーの登場する『いつドアは…』(作画・バーニー=ミレオ)がよかった。
全身緑色のコスチュームに身を包んだ「なぞなぞ知能犯」リドラーはやっぱりおもしろいわ。さすが全盛期のジム=キャリーがノリノリで演じていただけのことはある。
おっと、ここでやっと出てきましたねぇ、「緑色」というキーワードが!
でも、私がやられてしまった「緑色」は、リドラーのものではなかった。
そう、私が読んだもう1冊のバットマンもの『ラバーズ&マッドメン』の主人公こと「犯罪界のプリンス」ジョーカーの緑色なんですよ!
『ラバーズ&マッドメン』は映画『ダークナイト』が公開される前年の2007年に連載されていた約150ページの長編で、バットマン最大の宿敵と言えるジョーカーの誕生を描いた迫力の作品となっています。
「ジョーカーの誕生」といえば前にもふれたアラン=ムーア原作の大傑作『キリングジョーク』(1988年)や、その翌年に公開されたバートン監督の映画『バットマン』(89年)などですでにさまざまなエピソードが展開されているのですが、この『ラバーズ&マッドメン』でも、他の説とある点ではまったく違っていてまたある点では通じるところもあるという新説が披露されています。
まぁ、ジョーカー自体がコミック、アニメ、実写映画などでほとんど別人と言ってもいいいろんなアプローチがなされているキャラクターなので、今さらどの説が正しいのかなどという部分は問題にならなくなっているんですよね。
でも『ラバーズ&マッドメン』の場合は、翌年に公開された『ダークナイト』で活躍した「ヒース=レジャー版」ジョーカーの誕生エピソードであるという見方をするのがもっともしっくりくるのではなかろうか、という印象がありました。
私の大好きなあのヴィランの意外な前身も垣間見られることですし。これはこれで、よし!
いや~しかし、ジョーカーってのは実におもしろいキャラクターでして、
「髪の毛が緑色で、顔が真っ白で、くちびるだけ真っ赤で、パープルとオレンジの入った服を着ていて、笑い上戸な人。」
だったら誰もがなれるんですなぁ。マフィアの鉄砲玉でも重鎮幹部でも、売れない芸人でもハリウッドスターでも。
無意識に緑のものを集めはじめている私。やばいねぇ~! 私も暗黒面に落ちて地獄の道化師にならないように気をつけなくては。
とりあえず、パープルの服だけは買わないようにしよう。
ところで、つい今しがた買ったばかりの、次の1冊『バットマン アーカムアサイラム』なんですけど。
表紙のジョーカーの顔、こわすぎ!!
今日はわりとヒマだったもんで、ふらふらっとほっつき歩いては忙しいときに買えない日用品みたいなものを買ってまわったんですよ。
Tシャツと、靴下と、あれとあれ……
だいたい思いつくものは買い終わりまして、自転車のかごに乗せて家に向かい、最後に道ばたの自販機で缶コーヒーを買って、それもかごにポンッと入れたんですね。
そしたら……
買ったもの、ぜ~んぶ緑色なの。
自分で自分がこわくなりました……Tシャツも緑、靴下も黒地に緑のもようが入ったやつ。あれもパッケージに緑が、これもフタの色が緑。そして、最後に買った缶コーヒーもネスカフェの「生豆ブレンド」ってやつで、「生」感を押したイメージだったからコーヒーらしい黒とか茶色じゃなくて、明るい緑色……
はっ! そういえば、さっきから片手に持っているカサも緑。
これで着ている服まで緑色だったら立派な「緑衣の鬼」ビンゴだったわけなのですが、さいわいなんとかジーンズに赤いシャツだったのでギリギリ正気をたもつことができました。
しかし、他人には見えていないが私は知っている。今はいているトランクスパンツが緑色であることを……ギャ~!!
気がつかなかったね。「アラ、これも安い、これも安い。」みたいな主婦感覚で買っていたもんで、色彩のかたよりに完全に目がいっていませんでした。
いかんなぁ~。ちゃんと全体でものごとを観ないと。
そういえば私、最近は食欲自体があんまりなくなったのでそういう失敗はなくなったのですが、昔ハラがへってしょうがなかった時に、よくコンビニとかで弁当だ総菜だお菓子だなんだという食べ物を欲望のおもむくままに買いあさって家に持ち帰って落ち着いて見なおしてみたら、
「しょっぱいもんしかねぇ!」
「なんでカレーライスとカレーパン同時に買ってんだよ! インド人もビックリだよ。」
って経験、よくしたんだよなぁ~。変わってないね。
ただ、今回の「緑衣の鬼なりかけ事件」には、そういった私のあほさ加減とは別に思い当たる原因がありまして。
これはもしや、最近よく「緑色のものを目にしている」ことによって生じてしまった無意識のすりこみ効果なのではなかろうかと!
何回か前からおりにふれてつぶやいていることなのですが、私、最近自分の中で未曽有の「バットマンブーム」が到来しております。まぁ、そろそろ落ち着くかというころなのですが。
来年公開される予定で現在撮影中だという、うわさの『バットマン ダークナイト・ライゼズ(仮題)』。
2008年の『ダークナイト』が空前の大ヒットとなった俊英クリストファー=ノーラン監督の「バットマン3部作」の最終作となるらしい次回作なわけなんですが、そこらへんを見越したのか、近頃とみに書店で邦訳された「バットマン」原作アメコミが販売されているんですね。
で、さすがにぜんぶを買いそろえることはできないんですけど、特に気になる作品を買っては読みあさってるんですよ、今。
最近ラッシュのようにどんどん出版されているのは「小学館集英社プロダクション」が刊行しているものがほとんどなのですが、だいたい1冊のお値段は2500円前後といったところでしょうか。
でもね~、読んでいただければわかると思うんですが、高くはないんですよ、これ! ちなみに小学館集英社プロダクションというのは小学館の系列出版社で、集英社の出資も受けているのでこういうドリームタッグ的な社名になっているんだそうです。すげぇネーミング!
高くないどころか、最近ちょっとずつ安くなっている印象もあるなぁ。現に、私が数年前に他の出版社から買った邦訳アメコミは3500円くらいがざらでしたからね。
そのくらいのお値段になるのも仕方ないんですよ。だいたい、本としての作り方が日本でいう「マンガの単行本」とはおおちがい。
本編は基本的に全ページフルカラーだし、原作者と作画者とインカー(色をつける人)の分業体制でそれぞれが全力で取り組むもんだから1コマ1コマの重みがハンパじゃない!
やっぱりねぇ、「コミックス」じゃなくて「グラフィックノベル」なんですよ。絵画つき小説なんですな。
しかも、特に「バットマン」シリーズは1986年の革命的作品『ダークナイト・リターンズ』を境として、「より深刻なテーマに取り組んだ方がバットマンらしくてよろしい。」という方向性に集束されていくようになり、ちょっと子どもが読むコミックじゃない、といった色合いの名作が多く世に出ていくこととなりました。
「ダークなバットマン」というイメージは、それこそ何千円かを払ってアメコミを買わなくても、ティム=バートン監督やノーラン監督による映画を観てもらえればわかるかと思うのですが、1939年に『ディテクティブコミックス』で誕生したそもそものバットマンは単純明快勧善懲悪のヒーローだったはずで、思えば遠くへ来たもんだ。そういう意味では、バットマンの狂気をおさえる「健康的な相方」でもあったサイドキック役のロビンがちゃんと登場したジョエル=シュマッカー監督の『フォーエヴァー』と『&ロビン』のほうがむしろ原点に近いものだったりして。ただ、そっちはそっちで俗っぽすぎたりシュマッカー監督の「趣向」が爆発したりして変な出来になってしまったわけで……「明智小五郎と小林芳雄」もそうだと思うんですけど、作り手が「バットマンとロビン」のあいだに濃厚なソッチ系の空気を作るのは蛇足ですよね。見ようによってはそう妄想できないこともないって程度におさえておく。それが腐男女のたしなみってもんです。
話がそれましたが、要するに最近私が見ているアメコミ『バットマン』は、とにかく暗い、硬派、重苦しい! あんたたち、ガチンコすぎんのよ!
アメコミってことで読むこっちが身構えてしまっているからかもしれないのですが、普通の小説を読むよりも疲れちゃうのよねぇ。
今のところはこんなのを読みました。
『バットマン ザ・ラスト・エピソード』(原作・ニール=ゲイマン 作画・アンディ=キューバート)
『バットマン ラバーズ&マッドメン』(原作・マイケル=グリーン 作画・デニス=コーワン)
読み応えありまくり。
『ザ・ラスト・エピソード』は、原作者のゲイマンが手掛けた「バットマン関連」の中編・短編5本を1冊にまとめたもので、結果として5人の作画者によるまったく違った作風が楽しめるので非常にお得、というかけっこう疲れる盛りだくさんな内容になっています(アンディ=キューバートは表題作『ザ・ラスト・エピソード』のみの担当)。
ゲイマン本のほうの目玉は、なんといっても「バットマンシリーズ公認の最終回」という大看板のつけられた70ページの中編『ザ・ラスト・エピソード』(2009年4月発表)です。
とはいうものの、『スパイダーマン』のマーヴェルコミックスとならぶアメコミの老舗中の老舗・DCコミックスの、あの『スーパーマン』とならぶ世界的な有名ヒーローであるバットマンシリーズが簡単にこれでおしまいとなるわけもなく、この『ザ・ラスト・エピソード』で「死んだ」はずのバットマンは翌年の2010年5月からまた新シリーズを再開させているようです。
だからといって、この「バットマン死す!」という売り文句の『ザ・ラスト・エピソード』が「最終回サギ」なのかというと、さにあら~ず!
ここが原作者ゲイマンの真骨頂なのですが、彼はバットマンシリーズがこの作品で「終わらない」ことをちゃーんと見越しているのか、
「この作品のあとに新たなバットマンの活躍が始まってもおかしくない最終回」
というとてつもないウルトラC的な名作を創り上げているのです。
もち、「ただの夢オチ」なんていうもんではない! しっかりと感動できて、最終回なのにいつかまた、ふたたびバットマンの勇姿に出逢うことが楽しみになる作品なんです。
どういうつくりになっているのかは言うだけ野暮ってものなのでヒミツにしておきたいのですが、ヒントらしいものをガマンできずに言わせていただきますと、私はこの作品の作画を担当したキューバートのタッチや人物の動きが、日本の荒木飛呂彦先生のものに非常に通じるものがあると思ったんですよね。
で、荒木先生と言えばなんつっても『ジョジョの奇妙な冒険』なんですが、私はこの『ザ・ラスト・エピソード』を読んだ時のものとけっこう似た感動を、『ジョジョ』の第6部を読みおえた時に味わったたんですよ。
だからといって、それとこれとがまったく同じオチだと言うつもりはさらさらないのですが、どちらもともに、今現在私が生きているということに感謝したくなるような、広大無辺ななにかの力を感じてしまうようなものだったんですね、はい。
単行本としての『ザ・ラスト・エピソード』には、表題作のほかに4本の10ページ前後の短編がおさまっているのですが、これまたピリリと小技の効いた粒選りの作品ぞろいとなっております。
私はバットマンシリーズの名ヴィラン(悪役)リドラーの登場する『いつドアは…』(作画・バーニー=ミレオ)がよかった。
全身緑色のコスチュームに身を包んだ「なぞなぞ知能犯」リドラーはやっぱりおもしろいわ。さすが全盛期のジム=キャリーがノリノリで演じていただけのことはある。
おっと、ここでやっと出てきましたねぇ、「緑色」というキーワードが!
でも、私がやられてしまった「緑色」は、リドラーのものではなかった。
そう、私が読んだもう1冊のバットマンもの『ラバーズ&マッドメン』の主人公こと「犯罪界のプリンス」ジョーカーの緑色なんですよ!
『ラバーズ&マッドメン』は映画『ダークナイト』が公開される前年の2007年に連載されていた約150ページの長編で、バットマン最大の宿敵と言えるジョーカーの誕生を描いた迫力の作品となっています。
「ジョーカーの誕生」といえば前にもふれたアラン=ムーア原作の大傑作『キリングジョーク』(1988年)や、その翌年に公開されたバートン監督の映画『バットマン』(89年)などですでにさまざまなエピソードが展開されているのですが、この『ラバーズ&マッドメン』でも、他の説とある点ではまったく違っていてまたある点では通じるところもあるという新説が披露されています。
まぁ、ジョーカー自体がコミック、アニメ、実写映画などでほとんど別人と言ってもいいいろんなアプローチがなされているキャラクターなので、今さらどの説が正しいのかなどという部分は問題にならなくなっているんですよね。
でも『ラバーズ&マッドメン』の場合は、翌年に公開された『ダークナイト』で活躍した「ヒース=レジャー版」ジョーカーの誕生エピソードであるという見方をするのがもっともしっくりくるのではなかろうか、という印象がありました。
私の大好きなあのヴィランの意外な前身も垣間見られることですし。これはこれで、よし!
いや~しかし、ジョーカーってのは実におもしろいキャラクターでして、
「髪の毛が緑色で、顔が真っ白で、くちびるだけ真っ赤で、パープルとオレンジの入った服を着ていて、笑い上戸な人。」
だったら誰もがなれるんですなぁ。マフィアの鉄砲玉でも重鎮幹部でも、売れない芸人でもハリウッドスターでも。
無意識に緑のものを集めはじめている私。やばいねぇ~! 私も暗黒面に落ちて地獄の道化師にならないように気をつけなくては。
とりあえず、パープルの服だけは買わないようにしよう。
ところで、つい今しがた買ったばかりの、次の1冊『バットマン アーカムアサイラム』なんですけど。
表紙のジョーカーの顔、こわすぎ!!