ヨシムラ・サイエンス・ラボ

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水銀式体温計 × アルミニウム

2020年03月22日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

最近、新型コロナウイルスへの対応として、飛行場の入国時や、イベントの各種会場への入場時に「検温」が行われていますね。
検温といえば、最近は電子式の体温計が主流ですが、私が子供の頃は「水銀式体温計」でした。

その原理は、ガラス管内に封入された液体金属の水銀の温度上昇に伴う熱膨張を数値で読み取るというものです。

そんな「水銀式体温計」にも使用されている水銀とアルミニウムが合金化した、アルミニウム-水銀合金が水分と反応すると、にょきにょきと雲が発生するような面白い様相で、酸化アルミニウムが発生します。
※この酸化アルミニウム発生の反応は、インターネット上の動画でその反応の様子が公開されています。

一部報道では、上述の反応が理由で、「水銀式体温計」が機内持ち込みに制限のある荷物として指定されているとの話もあるようです。

最近の新型コロナウイルスに伴う「検温」にまつわる小話でした。

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