令和3年の入選者の東京の川坂浩代さんの他にリコの属している「あけび歌会」の会員さんの京都市の大石悦子さんも平成24年(2012年)の歌会始の儀で入選されました。
お題「岸」
とび石の亀の甲羅を踏みわたる対岸にながく夫を待たせて
京阪電車の終点の出町柳駅の、前の鴨川の中に置いてある飛び石のことです。
リコはまだこの時はあけび歌会に入会してなかったので入選時の会員さんの歓の様子は知りませんでした。
大石悦子さんが
「歌会始体験記」を月刊のあけび誌に書かれました。
平成24年3月号から抜粋します。
❴今年の歌会始の儀は1月12日、正殿松の間において、「岸」のお題で執り行われました。この「岸」のお題は図らずも東日本大震災の情景と重なって、感慨深いものとなりました。思いもかけず予選者として出席することになった体験を、今一度辿ってみたいと思います。
昨年12月6日に、宮内庁から最終候補に残っていると報告があり、12月12日に預選者決定通知を受けました。そして、マスコミ発表は12月26日になされました。
その期間は怒涛のような日々で、喜びよりも戸惑いの方が強かったと思います。
歌会始はかなりの重圧でした。
マスコミの電話取材、自宅でのインタビューや撮影と、馴れないことの連続で、神経を使う事が多かったからです。想うことを伝える難しさも、また学びました。ただ、記者の方々には、根気良く話を引き出して頂き、有り難く思っています。
(中略)
天皇、皇后両陛下には、自己紹介の後、歌の背景や想いをお伝えしました。鴨川には、対岸に渡る亀の飛び石があること。先に渡った夫の姿を見て、待っていてくれる人がいる幸せと同時に、対岸で待つ行為に、死者と生者の関係性も重なり、しみじみとした感情が湧いたと申し上げると、大変共感して頂きました。
選者懇談会では、亀の「甲羅」まで詠んだ具体性が良い、対岸の扱い方が個性的である、下の句の表現がなかなか手足れであるとの、評を受けました。
(後略)❵
★リコの補足説明
あけび歌会関係者からは召人として三師が皇居に参内されました。
☆昭和39年「紙」あけび歌会創始者の花田比露思•主幹。
ふるさとの清き流れに今もかも翁はひとり紙漉(す)くらむか
☆昭和41年「声」、清水比庵
ほのぼのとむらさきにほふ朝ぼらけうぐひすの声山よりきこゆ
☆平成19「月」、大津留温•主幹
天の原かがやき渡るこの月を異郷にひとり君見つらむか
会員さんは3名が入選しています。
☆昭和61年「水」、横山隆
源へ黄河辿りし調査隊水誕生の青きを捉ふ
☆平成24年「岸」、大石悦子
とび石の亀の甲羅を踏みわたる対岸にながく夫を待たせて
この年の歌会始の儀の平成24年は(2012年)2011年3月11日の東日本大震災の翌年になります。
大石さんは川岸で対岸のご主人と向き会われた時に震災の犠牲者に思いを馳せられたのでしょう。
☆令和4年「窓」、川坂浩代
来年、1月18日の皇居の歌会始の儀で披講されます。
大石悦子さんの「岸」の詠進歌にはこんなに深い思いがあったとは知りませんでした。
つくづく良い歌を私も詠みたいと思います。
亀の甲の形をした大きな飛び石が本当にあるのですね。
お写真を拝見してびっくりしました。
それにしてもなんて素敵なお歌の数々。
私も歌を読んでみたくなりました。
歌会始までには様々なことがあるのですね。
天皇皇后両陛下がお歌への想いや背景も聞いて下さるのですね
また、記者のインタビューなど知られざる一面を垣間見ることが出来て歌会始をより一層身近に感じられるようになりました。
歌っていいですね💕
心配してましたがワクチンの副作用が出たようですね。リコの友人も2回目は熱が出ました。皆でカロナールですね
貴女には来てくれる友人が多いので安心しています。
私は実家に日々の介護に通っていたので家自体に馴れないし、頼れる人もいませんでした
今も主人と2人きりです(子供はいませんし、姉も子供がいませんででしたから甥、姪もいません)
今はどらか独りになった時が覚悟の時ですが、何とかなると思っています。
大阪からガンバ、フレー、フレー
追伸、
貴女も訪問してみえる四季の彩りブログの「水曜サロン」に短歌を投稿しませんか?
リコは最近、口語短歌に挑戦してます。
お待ちしてます
一人だと何かと助けが来るものです。
でも、今回つくづく私はまだ若いのですから病気を持ちながらも一人で暮らされてる方々の為に何かしたいと思いました。
何ヶ月か前ぐらいまでは短歌を作って毎日ブログに恥ずかしながらアップしてましたけれども、短歌友達が東京の短歌の会に入ってからは交換しなくなりましたので私は自然に歌を詠なくなりました💦
まずは日々歌を詠んでみることから始めてみますね。
今ではさっぱり浮かんできませんから💦
リコは師の紀野一義先生のお供で人間国宝の志村ふくみ先生の嵯峨野のお宅を訪問したことがありますが、その時に志村先生は確かに木工の黒田辰秋先生に「専門ばかりしてると世界が狭くなるので専門外のことをしなさい」と言われたそうです、貴女も英語、キリスト教、人々に心を配る以外に単純に自分の楽しみに短歌を詠んでください
素晴らしい体験をなさったのですね。
確かに世界は狭くなるということはありません。
色々なことに興味を持ってもっと見聞を広めていきたいと思います。
短歌には感性が必要ですが、あと日本語の語彙力とかも。
難しいですが頑張ってみます❤️
世界が狭くなっていいことはありませんの間違いです😅
「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。
リコさんの短歌会は歌会始の儀に3名も入選されているとのこと。それだけ優れた
歌人の方が在籍されていることと思います。お互いに刺激になり、切磋琢磨の場と
なっていることと思います。
一首目はリコさんご夫妻の日ごろの思いやりが垣間見える、温かなお歌と思います。
このような短歌が自然に詠める関係性。それをお互いに築いてこられた、お二人の絆の強さをしみじみと感じます。
この歌に象徴的に表現されたご夫妻のあり方を、私達シニアは目指したいと思います。
これからもよろしくお願いします。
2年続くコロナパンデミックでご自身の歌を顧みる機会が有ったのが最近、当歌会で3冊もの歌集が上梓されました
昨日は、貴方もご存知かもしれませんが、映画「えんとこの歌 寝たきり歌人•遠藤滋」••この映画は多くの賞を取りましたのでNHKでも紹介されました。彼はあけび歌会の会員さんです。
主人公の遠藤滋さんから歌集「いのちゆいのち」が贈られて来ました
人はそれぞれの生きる範囲で己の生きる根源を見つけて行く、遠藤氏は「短歌以外は全て諦めた」と言われる。
「私達は真剣に短歌に向かいあっているのか」自問自答です