9月16日にリコのブログで取り上げたアメリカ同時多発テロの被害者の父親が翻訳された本と歌集を読み、リコは有ってはならない極悪非道のテロを短歌に詠みました。
9・11同時多発テロ 涼風
〇未曽有の事件成りしかツインタワーにハイジャッカーの飛行機突っ込む
〇被害者の父の書きたる『9/11レポート』読めば惨事に怒り湧きくる
〇瓦礫から一片の指唯一の「遺体」と右の親指届く
〇崩落に遺骨は指の欠けらのみ三十四年の命の軽し
〇「凄まじい高熱によりご遺体は蒸発しました」と検視官告ぐ
〇マンハッタンの空に漂ふ息子の魄(はく)「行ってやらねば」と父親うめく
〇吾が息の死亡理由は「殺人」の死亡届を握り締めたり
〇三人の幼児(をさなご)の父を奪ひたるテロの真相闇の中なり
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9月16日にブログにアップした記事を再アップします。
2001年9.11同時多発テロで息子さんを奪われた(享年34)住山一貞さんがアメリカの「2001年米国同時多発テロ調査委員会報告書」の英文を翻訳して「9/11 レポート」と題して出版されました。
500頁近い分厚い本です。
住山さんは短歌をしてみえて「グラウンド・ゼロの歌」
・・9・11同時多発テロ
あの日から還らぬわが子へ・・
を2020年8月に出版された。
1冊で日本語と英語に成っています。
後ろからは英語版です。
その本のあとがきで、住山さんに息子さんの「遺体」として右手の親指だけが戻って来た。検視官の言葉では、体の残りは蒸発したと言われた。
そうであれば、息子はニューヨークの街の空気の中に漂っている、「行ってやらねば」との思いでほとんど毎年、9月11日の追悼式典にニューヨークを訪ねていられた。
検視官に残りの遺体はEvaporat(蒸発)と住山さんは告げられた。
住山一貞歌集の中から紹介します。
〇形見とて国旗と共に贈られし壺を開くれば黒き砂にほふ
〇発見の遺体あまりに小さければ写真も無しと説明を受く
(検視局にて)
〇立ち会へねば棺に納むを託したり愛犬の写真と「日本国憲法」
〇骨拾ふ習ひはなくて密封のブロンズケースに入りて戻りぬ
〇いくさ無き世をよろこびし我なるにツインタワーより吾子は還らず
〇死亡理由「殺人」とある宣告書訳し終へれどしばし届けず
(死亡届)
テロにより人間の命が指の一片で終わるなんて、あってはいけない事です。