ペネロペ・フィッツジェラルド『ブックショップ』
キラキラ光る「The BOOK SHOP」という文字が、表紙の中央に大きく入っている。
よく見ると、ところどころかすれていて、年季が入った雰囲気。
日本語タイトル、著者名などはその下に、英語と同じ左右幅で収まっている。
背景が暗いので、小さいながらも、白抜きの日本語タイトルが一番目立つ。
後ろに見えるのは、書棚の写真。書店というより、誰かの部屋のようで、古い本が並んでいる。
本を手に持ち、光の当たり具合を変えると、薄暗い部屋の中に「The BOOK SHOP」が浮かび上がる。
とてもセンスのいい文字の選びとバランス。
書店を舞台にした小説で、本への愛情が溢れているのだろうと思いながら読んだ。
しかし、本への接し方がわりと淡白でとりとめない。
書店の賑わいより、店に棲みついた幽霊の方に関心があるような、核心をつかない書き方。
これは、書かれていない部分を、よほど注意深く想像しないと、大事なことが伝わってこないのかもしれない。
一方、この本を原作にした映画『マイ・ブックショップ』は、主人公の本が好きという気持ちが随所に表れる。
古い建物は、想像していたより窓が大きく、店内は明るい。そして広く、居心地が良さそうに見える。
原作と、細かい設定の違いはあるが、原作の行間を埋めてくれるような映画。
むしろ、情感豊かな映画を見るだけで十分ともいえる。
本のデザインはアルビレオ。(2019)
キラキラ光る「The BOOK SHOP」という文字が、表紙の中央に大きく入っている。
よく見ると、ところどころかすれていて、年季が入った雰囲気。
日本語タイトル、著者名などはその下に、英語と同じ左右幅で収まっている。
背景が暗いので、小さいながらも、白抜きの日本語タイトルが一番目立つ。
後ろに見えるのは、書棚の写真。書店というより、誰かの部屋のようで、古い本が並んでいる。
本を手に持ち、光の当たり具合を変えると、薄暗い部屋の中に「The BOOK SHOP」が浮かび上がる。
とてもセンスのいい文字の選びとバランス。
書店を舞台にした小説で、本への愛情が溢れているのだろうと思いながら読んだ。
しかし、本への接し方がわりと淡白でとりとめない。
書店の賑わいより、店に棲みついた幽霊の方に関心があるような、核心をつかない書き方。
これは、書かれていない部分を、よほど注意深く想像しないと、大事なことが伝わってこないのかもしれない。
一方、この本を原作にした映画『マイ・ブックショップ』は、主人公の本が好きという気持ちが随所に表れる。
古い建物は、想像していたより窓が大きく、店内は明るい。そして広く、居心地が良さそうに見える。
原作と、細かい設定の違いはあるが、原作の行間を埋めてくれるような映画。
むしろ、情感豊かな映画を見るだけで十分ともいえる。
本のデザインはアルビレオ。(2019)