『サンカの民を追って』
十代の青年が、無計画の放浪の中で出会った人たちの話。
小栗風葉、明治41年の小説「世間師」。
青年がたどり着いた煤けた旅館は、六畳二間に10人近くが雑魚寝する悪臭漂う空間。
垢で汚れ、じめじめしたぼろ布団にはシラミがたかる。
しかしそんな宿代さえ払うことができない青年は、日銭を稼ぎながら旅をする男の世話になるのだったが。
『サンカの民を追って』(河出文庫)に収められた一編。
サンカ小説を集めた一冊だが、表紙は小説というよりノンフィクションの雰囲気。
隣にいたのに実態を知らない集団となれば興味がわく。
何冊か本を読めば、実像らしきものは、なんとなく見えてくるものの、それでもサンカとは一体何だったのか? という疑問は漂い続ける。
そんな隙間にサンカ小説は入ってくる。
「世間師」をサンカ小説集に入れることが、ふさわしいのかわからない。でも、ここで読めてよかった。
カバーデザインは山元伸子氏。(2015)
十代の青年が、無計画の放浪の中で出会った人たちの話。
小栗風葉、明治41年の小説「世間師」。
青年がたどり着いた煤けた旅館は、六畳二間に10人近くが雑魚寝する悪臭漂う空間。
垢で汚れ、じめじめしたぼろ布団にはシラミがたかる。
しかしそんな宿代さえ払うことができない青年は、日銭を稼ぎながら旅をする男の世話になるのだったが。
『サンカの民を追って』(河出文庫)に収められた一編。
サンカ小説を集めた一冊だが、表紙は小説というよりノンフィクションの雰囲気。
隣にいたのに実態を知らない集団となれば興味がわく。
何冊か本を読めば、実像らしきものは、なんとなく見えてくるものの、それでもサンカとは一体何だったのか? という疑問は漂い続ける。
そんな隙間にサンカ小説は入ってくる。
「世間師」をサンカ小説集に入れることが、ふさわしいのかわからない。でも、ここで読めてよかった。
カバーデザインは山元伸子氏。(2015)