チャールズ・ブコウスキー『パルプ』

このイラストはいい。
ちくま文庫のチャールズ・ブコウスキー『パルプ』の表紙。
こんな雰囲気の小説だったと思う。
以前読んだのは学研の本で、図書館で借りたものだった。
だから今は手元になく、どんな表紙だったか覚えていない。
気になったので調べてみると、95年版の表紙を古書店のサイトで見つけた。
こんな感じだったのか。
生きているように見える太いタイトル「パルプ」と、小さく入った英語。
そのバランスが格好いい。
でも、もう少しコミカルな味でもいいかもしれない。
この表紙で、最初の数行を読むと、スマートなハードボイルド小説を想像する。
久しぶりに読んでみると、ただお馬鹿な小説ではないと思えてきた。
55歳の太った探偵は、それなりに一生懸命に生きているのに、周りの人間からカモにされ、いじめられているように見えてくるのだ。
以前は、ただ笑って読んでいたと思うけれど、どうしたのだろう。年をとったのか。
ちくま文庫のカバーデザインは加藤賢策氏、イラストはサヌキナオヤ氏。(2016)