チャールズ・ブコウスキー『ありきたりの狂気の物語』
ちくま文庫のブコウスキーは3冊。
いずれもカバーにサヌキナオヤ氏のイラストが使われている。
ブコウスキーの文章から感じる色は暗めの茶系。
だけど、こうして鮮やかな色を見せられると、これも悪くない、本当はこんな世界なのだろうと気づく。
この『ありきたりの狂気の物語』には、手書きの帯がついていた。
これもまた鮮やかな色合いで、賑やか。テンションがあがる。
酒を飲んで女を追いかけて、吐いて競馬をしてまた酒を飲む。
これは小説なのか実話なのか、とにかくしょうもない話が延々と続く。
短い話ばかりだが、立て続けに読むと疲れる。
でも、雑誌の連載のように次は来週、といった間をあけたくはない。
ヘトヘトになりながらブコウスキーにつき合う。
なんだか自分の人生が、ちょっとマシに思えてくるのだ。
デザインは加藤賢策氏。(2019)