ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

気狂いピエロ

2022-09-17 10:18:43 | 読書
 ライオネル・ホワイト『気狂いピエロ』



 失業中の男は、仕事の面接に行ったもののうまくいかず、帰りにバーで飲んでしまう。

 妻に電話で伝える気分になれずにいたのだ。

 仕事が見つかる気はしないし、支払うべき請求書の山が頭に浮かんで心配でならない。

 妻は愛想を尽かしつつあり、子どもたちは彼を嫌っている。

 そんな八方塞がりの男の前に17歳の女性が現れる。

 彼のことを理解したかのような言動に、38歳の男はつい関係を持ってしまう。

 人生の歯車が狂い始める。

 それは破滅なのか、それとも新たな人生の始まりなのか。


 男は我慢強く、タフで、頭もいい。

 女性は嘘つきで倫理観が欠如しているが、とても美しく、男は彼女にのめりこんでしまう。


 先日亡くなったゴダール監督の同名映画の原作。

 原作があったのかと、驚いて書店で手に取ったものだった。

 徐々に緊迫していく展開に飲み込まれる。

 ライオネル・ホワイトの本をもっと読めないだろうか。


 装画はQ-TA氏、装丁は新潮社装幀室。(2022)


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