ドナルド・E・ウェストレイク『ギャンブラーが多すぎる』
ドナルド・E・ウェストレイクの新刊!
それだけで幸せな気分になる。
帯の裏に同じような文言が書かれていた。
「この作家の本さえあれば幸せになれる」スティーヴン・キング。
舞台は1960年代のニューヨーク。
ギャンブル好きのチェットが、高額の配当金を受け取りにノミ屋の自宅へ行くと、彼は殺されていた。
チェットは警察だけでなく、ノミ屋の仲間のギャングからも犯人と疑われ、そのギャングと敵対するギャングから命を狙われてしまう。
そこにノミ屋のセクシーな妹も加わり、破茶滅茶な展開に。
逃げながら、チェットはノミ屋殺しの犯人を突き止めようとするのだが。
真相の追及もさることながら、ドタバタな流れをニヤニヤしながら読み進めるのは楽しい。
一度読んだあとに、適当に本を開いて目についた箇所を読むと、軽妙な会話がまったりした幸せな時間を作り出してくれる。
装画は岡野賢介氏、装丁は新潮社装幀室。(2022)