ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

グローバライズ

2019-02-06 19:33:56 | 読書
木下古栗『グローバライズ』





 長大で一見支離滅裂な台詞、漢字だらけの文章、それらを、言葉のひとつひとつを丹念に読ませてしまう迫力、技量。

 一歩先に、突然広がる巨大な落とし穴。

 胸が悪くなるような世界。

 12の短編集。

 最初の一編を読んでからは、期待と警戒心で、一行一行をどきどきしながら慎重に読み進めた。


 この凄さ、表紙からは窺い知れない。どちらかというと端正だ。

 一番目立っているのは本の真ん中、オレンジ色の「GLO」。背から表4にかけて「BARISE」。

 Gの背景に見えるのは、女性の髪なのか。

 左から右へ、心地よい風が吹いているように見える。

 爽やかな世界を想像させる。

 すべての短編を読んでしまったあとでさえも。


 デザインは鈴木成一デザイン室。装画は岡本裕希子氏。(2016)




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