アニー・トレメル・ウィルコックス『古書修復の愉しみ』
所有している本が、白い紙のまま、何十年も同じ状態を保ち続けるとは思っていない。
学生時代に読んでいた本のほとんどは、すでに変色して、古書店に持って行っても値がつきそうにない。
とはいえ、捨てるには忍びない、なんとなく手元におきたい本もある。ちょっとした思い入れのためだ。
この本は、書籍修復家に弟子入りした女性の話。
作業は、細かく丁寧で神経を使う様子。
だが、写真やイラストなどの説明がないので、本当に理解して読めているかは疑わしい。
そんな折り、たまたまテレビで、水道橋にある製本工房リーブルが、本の修復を行うところを見た。
ぼろぼろの辞書、1ページ1ページを、アイロンをかけて平らにし、和紙をちぎって足りない部分をつけ足していく。
アニー・トレメル・ウィルコックスの作業とは違うようだが、根気のいる仕事には違いない。
修復が必要なほどヨレヨレになった愛読書は持っていないけれど、こうして直してもらったりすると、一生大事にしそうだ。
それは読むためというより、ただ触り、眺めるだけの物としての本になってしまうのかもしれない。
何十年も捨てられない本は、すでにそういった存在なのだろう。(2015)
所有している本が、白い紙のまま、何十年も同じ状態を保ち続けるとは思っていない。
学生時代に読んでいた本のほとんどは、すでに変色して、古書店に持って行っても値がつきそうにない。
とはいえ、捨てるには忍びない、なんとなく手元におきたい本もある。ちょっとした思い入れのためだ。
この本は、書籍修復家に弟子入りした女性の話。
作業は、細かく丁寧で神経を使う様子。
だが、写真やイラストなどの説明がないので、本当に理解して読めているかは疑わしい。
そんな折り、たまたまテレビで、水道橋にある製本工房リーブルが、本の修復を行うところを見た。
ぼろぼろの辞書、1ページ1ページを、アイロンをかけて平らにし、和紙をちぎって足りない部分をつけ足していく。
アニー・トレメル・ウィルコックスの作業とは違うようだが、根気のいる仕事には違いない。
修復が必要なほどヨレヨレになった愛読書は持っていないけれど、こうして直してもらったりすると、一生大事にしそうだ。
それは読むためというより、ただ触り、眺めるだけの物としての本になってしまうのかもしれない。
何十年も捨てられない本は、すでにそういった存在なのだろう。(2015)
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