ロビンソン本を読む

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ババヤガの夜

2024-02-17 17:35:17 | 読書
 王谷晶『ババヤガの夜』



 滅茶苦茶に強い女!

 このとき想像するのは綺麗な女性。

 でも闘っていないときには可愛いツヨカワな人。

 この発想が、ありきたりな映像作品の影響を受けていることはわかっていた。

 ぼくのそんな短絡的で未熟な部分を、この小説は激しく突いてくる。

 読みながらカバーのイラストを見て気づいていたのだ。

 握った拳がデカくゴツい。

 強いことと美醜は関係ないのだと。


 ぼくはひ弱な人間なので、腕力の強さに憧れを抱く。

 でもそれは地道な鍛錬を重ねた武人であったり、素人には手をあげない格闘家に対してだ。

 根っから暴力が好きな女性、しかも美人ではない。

 こんな主人公を好きになれるのか。

 それが。

 折れない心、でも一瞬見せる弱気。


 格闘シーンに惚れるが、それだけではない仕掛けにも感嘆する。


 装画は寺田克也氏、装丁は山影麻奈氏。(2024)




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