つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町の「さくら家」。

2011年12月21日 23時37分48秒 | 日記
毎週日曜日の午後6時台。
フジTV系列では、2つの「国民的アニメ」が放送されている。

1つは「まる子」こと「さくらももこ」とその家族、
友達が繰り広げる日常を描いた笑いあり、涙ありのコメディ「ちびまる子ちゃん」。
1990年から累計20年という長寿番組だ。
もう1つは「サザエさん」「マスオさん」「カツオ」や「ワカメ」ら
「磯野家」の面々の暖かく楽しい日常を描いた「サザエさん」。
1969年のスタートから42年間を数えている。
両作品共に核家族ではなく大家族であり、
主役級の登場人物達が暮らすのは「今日の一枚」のような「平屋」である。
「昭和の庶民」がモデルだけに“狭いながらも楽しい我が家”の風情が、
温かみを醸し出すのだろうか。

かつて、僕の隣近所において平屋は決して珍しい住宅ではなかったが、
今やその数は減った。
新築となると尚更。
たまに見かけるのは、かなり年季の入った建物が多い。
それだけに、平屋とその周辺はちょっとした昭和博物館なのである。
…正面左に回ってみよう。

 

画面やや右手にあるのが「臭突」。
下水道が備わる以前、汲み取り式のトイレ…いわゆる“ボットン便所”の
し尿層から立ち上る臭気を外へ逃がすための排気口だ。
僕の生家も、子供時代は同じ造り。
時たま、言葉では形容しがたい臭いが漂っていたものである。
定期的にバキュームカーが回収に訪れてくれていたのを思い出す。
その右に見える「お勝手口と洗い場」も典型的。
外で遊び散々泥だらけになった手足の汚れを落としてから家の中に入るには都合のいい配置である。
…続いて裏に回った板壁の角では、こんなものを発見。

 

木製の牛乳箱だ。
毎朝、自転車の荷台に満載した瓶がこすれ合う音と共に配達された。
セロファンで覆われた紙の蓋を指で押し開け、
一気に飲み干した当時が思い出される。
ちなみに、「明治牛乳津幡販売所」の白い文字の下、
連絡先の市外局番は07619。
昭和のナンバーなのだ。
…そして、最後に屋根に注目。

 

セメント瓦である。
セメントと調合したモルタルを用いて造られ比較的安価。
そのため年月が過ぎると風化。
色や表面の艶を失いやすい。
また割れやすい欠点を補うためにアスベストが使用され、
平成以降、社会問題となった。

…と、このように21世紀の現在から考えると
何かと不備・不便があったかもしれないが、郷愁に誘われるのも否めない。
これが「国民的2大アニメ」の人気の秘密なのかもしれない。
コメント
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