今から40数年前の夏。
僕は、額から顎へと滴り落ちる汗に構わずここに立っていた。

津幡川沿いに建つ「弘願寺」。
元々は、山間部の「津幡町笠谷地区・鳥越」にあって、
一向一揆が北陸を席巻していた13世紀後半には、その拠点の1つだったと伝え聞く。
天正8年(1580年)、勇猛で知られる織田家臣「佐久間盛政」によって焼き払われ、
現在の場所に移転した。
津幡が宿場町として賑わった江戸時代。
金沢を出立した加賀藩・前田家の大名行列が立ち寄った折、
殿様は本陣で、家来たちは「弘願寺」で草鞋を脱いだ。
つまり脇本陣としての役割も担ってきたのである。
少年だった僕は、用もないのに、機会を見つけてはここへ足を運んだ記憶がある。
きっと、降り積もった歴史に見惚れていたのに違いない。
長い星霜を耐えてきた本堂を眺めながら、400年前の情景を想像していた。
そんな過去に思いが至ったのは、やはり、季節が夏だからだろう。
天から降り注ぐ、刺すような陽の光。
黒光りする甍の大屋根。
ねっとりとまとわりつく暑熱。
辺りは蝉時雨。
幾つかの条件が揃い、遠い夏の日が大脳皮質の奥から蘇ってきたのだ。
またもう一つ。
「スガイ書店」の店頭に掲示されたポスターも、昭和の夏を想起させた。

「第63回 青少年読書感想文全国コンクール」と
「第33回 北國夏の読書感想文・感想画コンクール2017」の課題図書ポスターだ。
後者は歴史が浅く縁がない。
前者には、学校を通じて参加した。
…何を題材にしたのだろう?
…思い出した、「モチモチの木」だ!

「滝平 二郎」氏の切り絵は迫力十分。
個人的には、左程、好みではなかったが、
その出来栄えの素晴らしさと緻密さは、小学生にも理解できた。
夏の空気は、強い日差しのせいか無色透明に思え、
吹く風も熱気を含んであっという間に通り過ぎてしまう気がする。
しかし、何故だか妙に印象深い。
僕は、額から顎へと滴り落ちる汗に構わずここに立っていた。

津幡川沿いに建つ「弘願寺」。
元々は、山間部の「津幡町笠谷地区・鳥越」にあって、
一向一揆が北陸を席巻していた13世紀後半には、その拠点の1つだったと伝え聞く。
天正8年(1580年)、勇猛で知られる織田家臣「佐久間盛政」によって焼き払われ、
現在の場所に移転した。
津幡が宿場町として賑わった江戸時代。
金沢を出立した加賀藩・前田家の大名行列が立ち寄った折、
殿様は本陣で、家来たちは「弘願寺」で草鞋を脱いだ。
つまり脇本陣としての役割も担ってきたのである。
少年だった僕は、用もないのに、機会を見つけてはここへ足を運んだ記憶がある。
きっと、降り積もった歴史に見惚れていたのに違いない。
長い星霜を耐えてきた本堂を眺めながら、400年前の情景を想像していた。
そんな過去に思いが至ったのは、やはり、季節が夏だからだろう。
天から降り注ぐ、刺すような陽の光。
黒光りする甍の大屋根。
ねっとりとまとわりつく暑熱。
辺りは蝉時雨。
幾つかの条件が揃い、遠い夏の日が大脳皮質の奥から蘇ってきたのだ。
またもう一つ。
「スガイ書店」の店頭に掲示されたポスターも、昭和の夏を想起させた。

「第63回 青少年読書感想文全国コンクール」と
「第33回 北國夏の読書感想文・感想画コンクール2017」の課題図書ポスターだ。
後者は歴史が浅く縁がない。
前者には、学校を通じて参加した。
…何を題材にしたのだろう?
…思い出した、「モチモチの木」だ!

「滝平 二郎」氏の切り絵は迫力十分。
個人的には、左程、好みではなかったが、
その出来栄えの素晴らしさと緻密さは、小学生にも理解できた。
夏の空気は、強い日差しのせいか無色透明に思え、
吹く風も熱気を含んであっという間に通り過ぎてしまう気がする。
しかし、何故だか妙に印象深い。