ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載、第百七弾は「古代ケルトの女王・ブーディカ」。

地中海を“我らの海”と呼び、世界帝国を築いた「ローマ」がドーバー海峡を渡って百余年。
その版図に加わった「ブリテン諸島」には、元々ケルト人たちが棲みついていた。
・・・とある氏族の女王「ブーディカ」は、
背が高く、力強い声を持ち、豊かで燃えるような赤毛を棚引かせた碧眼の偉丈婦。
伴侶は、新しい支配者と良好な関係を保ちつつ民を導く王。
2人は、幸せな生活を送っていた。
しかし、夫の事故死によって、運命の歯車が回り始める。
妻として財産を継承できると信じていた「ブーディカ」に対し、
ローマが突き付けた現実は、真逆にして冷酷。
相続を認めないばかりか、指導者がいなくなった小国を属州として召し上げてしまった。
猛抗議は聞き入れられず、女王は虜囚の身となり鞭打たれ、
愛娘はローマ兵に陵辱され、一族は隷属を強要された。
怒りに震える「ブーディカ」は、蜂起を呼びかける。
それに呼応した数万のケルト戦士が、鬨の声を上げた。
「ローマを倒せ!!」
当初は、破竹の勢い。
次々とローマの拠点を踏み潰してゆく。
復讐の鬼と化したケルトの女王は、軍属だけでなく、民間人、女、子どもも情け容赦なし。
只「殺戮」あるのみ。
ローマ人は、恐怖のどん底に叩き込まれた。
ブーディカ軍23万人とローマ正規軍1万人が相まみえたのは「ワトリング街道」。
ケルト側は、数的優位に物を言わせて正面突撃!
しかし、狭い地形に遮られ、押し合いへし合いの大混乱に。
無闇な衝突を避け、狙い通りの展開を演出したローマ軍は、一斉に投げ槍を放つ!
降り注ぐ数千の鋼の雨によって串刺しにされ、勢いを削がれるケルトの戦士たち。
そこへ、再度の投擲!
総崩れを見て取ったローマ軍は、すかさずV字隊形を組んで突入!
勝敗の行方は、決した。
累々と連なる屍は、やがて朽ち果てる。
更に時は経ち、ローマの支配も終焉を迎える。
残されたのは、勇猛な赤毛の女王の伝説。
「ブーディカ(Boudicca)」は、古代ケルト語において「勝利」を意味する。
その蜂起から一千年以上後。
七つの海を制した大英帝国のクイーンの名が、
「ビクトリア(Victoria)」なのは、単なる偶然ではないかもしれない。
不定期イラスト連載、第百七弾は「古代ケルトの女王・ブーディカ」。

地中海を“我らの海”と呼び、世界帝国を築いた「ローマ」がドーバー海峡を渡って百余年。
その版図に加わった「ブリテン諸島」には、元々ケルト人たちが棲みついていた。
・・・とある氏族の女王「ブーディカ」は、
背が高く、力強い声を持ち、豊かで燃えるような赤毛を棚引かせた碧眼の偉丈婦。
伴侶は、新しい支配者と良好な関係を保ちつつ民を導く王。
2人は、幸せな生活を送っていた。
しかし、夫の事故死によって、運命の歯車が回り始める。
妻として財産を継承できると信じていた「ブーディカ」に対し、
ローマが突き付けた現実は、真逆にして冷酷。
相続を認めないばかりか、指導者がいなくなった小国を属州として召し上げてしまった。
猛抗議は聞き入れられず、女王は虜囚の身となり鞭打たれ、
愛娘はローマ兵に陵辱され、一族は隷属を強要された。
怒りに震える「ブーディカ」は、蜂起を呼びかける。
それに呼応した数万のケルト戦士が、鬨の声を上げた。
「ローマを倒せ!!」
当初は、破竹の勢い。
次々とローマの拠点を踏み潰してゆく。
復讐の鬼と化したケルトの女王は、軍属だけでなく、民間人、女、子どもも情け容赦なし。
只「殺戮」あるのみ。
ローマ人は、恐怖のどん底に叩き込まれた。
ブーディカ軍23万人とローマ正規軍1万人が相まみえたのは「ワトリング街道」。
ケルト側は、数的優位に物を言わせて正面突撃!
しかし、狭い地形に遮られ、押し合いへし合いの大混乱に。
無闇な衝突を避け、狙い通りの展開を演出したローマ軍は、一斉に投げ槍を放つ!
降り注ぐ数千の鋼の雨によって串刺しにされ、勢いを削がれるケルトの戦士たち。
そこへ、再度の投擲!
総崩れを見て取ったローマ軍は、すかさずV字隊形を組んで突入!
勝敗の行方は、決した。
累々と連なる屍は、やがて朽ち果てる。
更に時は経ち、ローマの支配も終焉を迎える。
残されたのは、勇猛な赤毛の女王の伝説。
「ブーディカ(Boudicca)」は、古代ケルト語において「勝利」を意味する。
その蜂起から一千年以上後。
七つの海を制した大英帝国のクイーンの名が、
「ビクトリア(Victoria)」なのは、単なる偶然ではないかもしれない。