つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

雨水の頃。

2020年02月16日 13時03分37秒 | 日記
雪が雨に変わり、
積もっていた雪や氷も解けて水になる頃。
2020年の「雨水(うすい)」の入りは、もう間もなく。
先週、ようやく冬が訪れたと思ったら、滞在は束の間だった。

津幡町の料理旅館・銭湯「勝崎館(かつざきかん)」で撮影した松の木。
曲がり具合の姿が良く、散歩の折、度々立ち寄り観賞することが多い。

幹に巻かれた藁・・・「菰(こも)」は、松葉を食べる虫対策。
冬眠のため幹づたいに下りてきた幼虫が、越冬場所として菰に潜り込む。
啓蟄になったら菰を外して焼却し、駆除するという訳だ。
その効果には異論もあるが、枝を雪の重みから守る「雪吊り」と共に、
伝統的な冬の備えである。

街の片隅で待機する「除雪車」。
おそらく、今シーズンは出動の機会が一度もなかったのではないだろうか。

一方、七分咲きの「白梅」が辺りにいい香りを放つ。
金沢地方気象台が開花を観測したのは今月3日。
ちなみに昨年は2月18日だった。
寒の戻りで蕾が綻ぶ勢いはやや鈍ったが、これからは進展が見られるはずだ。

そんな梅、異名が多い。
好文木、春告草、匂草、鉄樹、君子香、百花魁、等々。
また「万葉集」に詠まれた花のうち、梅は萩に次ぎ百十数首を数える。
昔は「花見」といえば梅見が一般的。
古くから愛されてきた春の花である。

さて、きのう午後、冒頭の「勝崎館」にて、
祖母の一周忌法要でお世話になり、美味しい料理をいただく。
会席の〆は、炊き込みご飯、香の物、お澄まし。
椀の中には筍と桜の花が。
春の香りを堪能させてもらった。
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世界を席巻する神話の住人。 ~ アマゾネス。

2020年02月11日 21時07分25秒 | 手すさびにて候。

ほんの手すさび手慰み。
不定期イラスト連載、第百三十弾は「アマゾネスの戦士」。

「アマゾネス」は、ギリシア神話に登場する部族のこと。
軍神「アレス」と、調和の神「ハルモニアー」の末裔。
武器や馬の扱いに長け、狩猟を糧とする優秀なハンター。
黒海沿岸~小アジア~北アフリカにかけ暮らしていた。

一族は女系社会。
他部族の男と交わり成した子は、男児は見捨てるか奴隷とし、
女児のみを受け容れたという。

また、弓を引きやすくするため右の乳房を切り落とした事から、
「a(欠けた)+mazos(乳)」の部族名が付いたとか。
いずれ神話の世界のハナシ。
真偽は明らかではない。

・・・さて、もう10年ほど前になるが、僕は一時期、熱帯魚を飼育していた。
ネオンテトラに代表される、小型テトラ。
口が吸盤上になった、プレコ。
丸っこくて体幅の薄いハチェットやエンゼルフィッシュ。
淡水エイ、ピラニアナッテリー。
大小、多岐に亘った多くは南米原産。
彼等の生息地も、同じ伝説が関わっているらしい。

時は大航海時代。
スペインの侵略者が密林で、女性だけの部族に襲われ大損害を被る。
このエピソードは評判を博し、
故事に倣って事件現場の辺りを流れる大河は、
「アマゾン」と呼ばれるようになった。
こちらも諸説アリ。

強くて美しい女戦士は、しばしば、現代のファンタジーに登場する。
小説、ゲーム、漫画、映画など枚挙に暇がない。
B級・・・エログロの類が少なくないのは、
それだけ(男目線で)好まれている題材なのかもしれない。

そして何より、
今では“流通の大河”である企業名としても定着。
その言葉を耳にしない日はない程、身近になった。

(※言語によって発音は異なるが「アマゾネス」に統一した)
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天から遅蒔きの雪。

2020年02月09日 11時00分40秒 | 自然

未明から石川県は、雪が降ったり止んだり。
日本付近の冬型の気圧配置は次第に緩むが、気圧の谷や寒気の影響を受ける見込み。
昼過ぎから曇りとなり、昼前まで雷を伴う所がある。

この冬の雷、北陸にお住まいの方以外は馴染みがないだろう。

日本海を流れる対馬海流の暖かい海面に、シベリアからの冷たい空気が流れ込むことで、
水蒸気が盛んに供給されて積乱雲が発生。
また、雪雲も同様である。
これらが季節風に乗り、発達しながら運ばれてきて、
冬の北陸は、緯度が低い割に降雪・落雷が多い。

もう一つ、北陸にお住まいの方以外に馴染みがないのは、道路から水が出る光景だろう。

前々回の投稿でも取り上げた「消雪装置」である。
井戸を掘り、ポンプを設置して地下水を汲み上げ、パイプを通して道路に散水。
地下水は冬でも13~14℃と温かいため、雪を溶かす。
降雪具合はセンサーで判断し、雪が降りだすと水が出て、降りやむと水が止まる。
自動制御という訳だ。

画像の「消雪ポンプ盤」・・・「運転」のパネルが点灯。
雪国のインフラともいえる大切な設備だが、
小路や裏道などには、設置されていない。

こうした古い住宅街の道路では、人は轍(わだち)を歩く事が多い。
雪は程なく融けてしまうだろうが、
滑りやすくなっている狭い道では、特に安全運転を心がけて欲しい。
気温が下がると凍結の心配もある。
もちろん、僕も他人事ではない。
暖冬に慣れてしまい、思わぬ災難が降りかかることのなきように。
ご注意下さいませ。
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冬の東雲(しののめ)。

2020年02月08日 15時24分40秒 | 日記

夜の終わりと朝の始まりが重なるころ。
東の空が明るくなってきた「東雲時」に散歩をすると、
ほんの少し、いつもの風景が違って見える。

肌を切るような寒気の中に立つ一本の街灯。
辺りの明度は刻一刻と上がっているが、まだ明かりを絶やさないまま。
きっと闇の中では暖かく思えたであろう光も、
冷たさを増しているように感じるから不思議だ。

名前のとおり2メートル近い草丈。
泡立つように密集していた白い冠毛は粗方落ちてしまい、褐色が目立つ。
画像では分かりにくいが、微かに付いた霜が淡い光を照り返す様子は、
休耕田で立ち枯れた「セイタカアワダチソウ」を美しく演出する。
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令和弐年 立春過ぎて 冬来る。

2020年02月06日 22時39分35秒 | 自然

暦の上では春になった2月6日。
ようやく雪が降った。

窓を開けると、曇天の下の街は白粉を叩いたように薄化粧。
僅か数秒、外気にあたると身震いする寒さ。
「冬が来た」・・・と実感した。
厳しい気候なのに何だかホッとしてしまうのは、
僕が北陸で生きてきた証なのだろうか。

冷たくて乾燥したシベリア気団が北から下りてきて、
日本海を通る時に湿気を蓄え、雪をもたらす。
夏、高温多湿な小笠原気団による厳しい暑さとは正反対。
冬と夏の間には、春があり、
夏と冬の間には、秋がある。
こうした明瞭な四季が日本の文化を形成する要素の1つになってきた。
やはり、冬は冬らしくあって欲しい。

さて、現代の北陸の冬の営みを代表する1つが「融雪装置」だ。
最近は、より効果を強調するためか「消雪」とも呼ばれる冬の備え。
贅沢にも地下水を使って雪を融かす(消す)。
今シーズン、活躍の機会が少なかったせいか、
水の勢いはいつにも増して強い。
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