第2次岸田再改造内閣 大半が靖国派
改憲推進の危険な布陣
13日発足の第2次岸田再改造内閣では、岸田文雄首相以下自民党籍の19人の閣僚のうち15人が日本会議国会議員懇談会(日本会議議連)と神道政治連盟国会議員懇談会(神政連議連)の二つの靖国派議連のいずれかに加盟してきたことが本紙の調査でわかりました。第2次岸田改造内閣では公明党籍の閣僚以外全員に靖国派議連への加盟歴がありましたが、今回も靖国派が大半を占めました。
問題の靖国派議連は、過去の日本の侵略戦争を“アジア解放の正義の戦争”と正当化する靖国神社への首相の公式参拝を主張する改憲右翼団体「日本会議」と一体で活動しています。同会議は、改憲を主張する一方で、ジェンダー平等に反対し、個人の自由よりも家父長制に基づく「家庭秩序」を唱える戦前回帰の異常な勢力です。
日本会議議連では新藤義孝経済再生担当相と高市早苗経済安保相は副会長を、西村康稔経済産業相は副幹事長を、木原稔防衛相は政策審議副会長をそれぞれ務める重鎮。神政連議連では木原氏と高市氏が幹事をそれぞれ務め、木原氏は事務局長代理も兼ねてきた筋金入りの靖国派です。
岸田首相は内閣改造にあたっての記者会見(13日)で、衆参両院の憲法審査会での改憲議論「活発化」への決意として、「憲法改正の議論を進めるための布陣を強化することはしっかり考えたい」と表明しました。今回の内閣改造で起用された靖国派閣僚は、改憲を進めるための危険な布陣にほかなりません。
デニー知事 国連へ出発
オール沖縄の激励を受け
沖縄県の玉城デニー知事は17日、名護市辺野古の米軍新基地建設反対などを国連人権理事会で訴えるため、スイスのジュネーブに向けて出発しました。那覇空港ではオール沖縄会議や国会議員、県議、市町村議員らが知事を激励しました。
デニー知事は「沖縄の抱えている課題が、人権や民主主義の根本的な課題であることを伝えて国際社会とつなげ、平和な未来、平和な地球、社会の構築を進めていくために理解し協力していくことを大きな目的にしたい」とあいさつ。国連で演説することで「沖縄の新たな未来への一歩にしたい」と力を込めました。
沖縄選出の野党国会議員でつくる「うりずんの会」を代表し、高良鉄美参院議員が「県民の大きな期待と支えが知事にはある」と勇気づけました。
県議会与党会派を代表し「てぃーだ平和ネット」の照屋大河県議が「私たちは、知事を支える気持ちを1ミリもぶれることなく応援していく」と激励。オール沖縄会議の糸数慶子共同代表は「沖縄の心を訴えてほしい」とエールを送りました。
デニー知事は出発前、記者団に対し、辺野古新基地問題は国民全体の問題であり、世界共通の課題ともつながると述べ、「一番明確に伝えたいのは人権だ」と強調しました。
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毎日新聞は16、17日の両日、全国世論調査を実施した。岸田内閣の支持率は25%で、8月26、27日実施の前回調査(26%)から1ポイント減の横ばい。岸田内閣としては過去最低だった2022年12月に並んだ。不支持率は8月調査と同じ68%。岸田文雄首相が13日に実施した内閣改造と自民党役員人事で岸田内閣への期待が高まったかについては、「高まっていない」が77%に上り、「高まった」は10%にとどまった。 【グラフ】岸田内閣の支持率の推移(9月) 内閣支持率は相次ぐマイナンバーのトラブルなどの影響で6月以降下落が続き、8月から横ばい傾向となっている。人事の「刷新」による政権の浮揚効果は限定的だった模様だ。これまで岸田内閣として過去最低の支持率だった22年12月は「政治とカネ」などを巡る閣僚の「辞任ドミノ」に見舞われていた。 内閣改造で女性閣僚が2人から5人に増えたことについてどう思うかを聞いたところ、「どちらとも言えない」の49%が最多で、「不十分だ」の28%、「十分だ」の23%が続いた。 14年に関連政治団体の政治資金収支報告書の虚偽記載などが発覚し、経済産業相を辞任した小渕優子氏を選対委員長として党執行部入りさせた人事については「評価しない」が56%に上り、「わからない」は23%、「評価する」は21%だった。 留任した河野太郎デジタル相にマイナンバー制度のトラブル解消を期待するかとの問いでは「期待しない」が47%で、「期待する」は40%だった。 岸田政権の物価高対策について「評価しない」が76%で、「評価する」は9%にとどまった。岸田首相にいつまで首相を続けてほしいかとの質問では、「早く辞めてほしい」の51%が最多で、「来年9月の自民党総裁任期まで」が25%、「できるだけ長く続けてほしい」「わからない」が各12%だった。 政党支持率は、自民党26%(前回25%)▽日本維新の会13%(同15%)▽立憲民主党11%(同9%)▽れいわ新選組5%(同6%)▽共産党5%(同4%)▽国民民主党5%(同6%)▽参政党3%(同2%)▽公明党2%(同3%)――などで、「支持政党はない」と答えた無党派層は25%(同26%)だった。 調査は、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)機能を使う方式と、固定電話で自動音声の質問に答えてもらう方式を組み合わせ、携帯449件・固定581件の有効回答を得た。【樋口淳也】