いわゆる「専制主義国家」の暴走によって安全保障環境の悪化が叫ばれる中、その要を担う岸防衛相が異変をきたし、懸念の声が上がっている。国会答弁が異例の着席スタイルになったからだ。足の調子が良くないとの理由で昨夏あたりからつえをつき、今年2月上旬からは大臣会見を着席で行っていたが、よほど体調が悪いのか。激務にむしばまれているのか。
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2022年度補正予算案が27日、衆院本会議で可決され、参院に送られた。衆院では27日まで2日間、岸田首相と全閣僚が出席して基本的質疑を実施。岸田首相が国会審議などを経ずにバイデン米大統領に敵基地攻撃能力の保有などの軍備増強を表明したことをめぐる質疑に岸は対応したのだが、閣僚席とは別の位置に設けられた専用の「答弁席」に陣取った岸防衛相はすべて着席したまま答弁した。
「このところの岸大臣は移動に電動車イスを使用し、歩行しなければならない際はつえを2本ついている。委員会で着席中はイスの袖をずっとつかんでいたりして、党内でもみな体調を心配しています。防衛委員会の審議は副大臣に任せっぱなし。単に足の調子が悪いだけには見えない。持病が悪化しているんじゃないか。本人は辞任する意向はなく、実兄の安倍元首相に遠慮しているのか、岸田総理も動くに動けないようです。ただ、参院選後の内閣改造で交代する可能性はある」
ロシアが仕掛けたウクライナ戦争が長期化する一方、中国は海洋進出を強め、北朝鮮は核・ミサイル開発を再開している。政府・与党が安全保障環境の悪化を声高に叫んでいるだけに、防衛トップの不調はこの国にとってリスクだ。どんな健康問題を抱えているのか。公務への支障はないのか。岸事務所に尋ねたところ、防衛省からこう回答があった。「岸大臣はかねてより脚に不具合があり、現在も治療中であることから歩行の際はつえをつき、負担を考慮し、着席したまま会見や答弁等を行っています。防衛大臣としての職務に問題はありません」
やむにやまれぬ手前勝手なお家事情も聞こえてくる。
「次期衆院選から衆院小選挙区の定数が『10増10減』となり、岸大臣と安倍元首相のお膝元の山口県は定数4から3に1減します。大臣は秘書官を務める長男を後継者としていますが、区割り変更直後の選挙は何かと不安。次回は自分が立ち、岸家と安倍家で2議席を安定確保した上で、後を任せたいと考えているようです」(清和会関係者)
この国の行く末よりも、家門を案じているのか。
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