チェルノブイリ「石棺」をさらに外側から覆う新シェルター設置
33年前、史上最悪の原発事故が起きたチェルノブイリ原子力発電所で、今後100年間、放射性物質の飛散を防ぐことが可能とされる巨大なシェルターが新たに設置されました。一方で、廃炉に向けた計画の見通しが今もたっていないことに懸念の声もあがっています。
1986年に史上最悪の原発事故が起きた旧ソビエトのウクライナにあるチェルノブイリ原子力発電所では、爆発した原子炉を覆ってきた「石棺」と呼ばれるコンクリートの構造物をさらに外側から覆うシェルターが新たに設置され、2日、内部が公開されました。
シェルターは鋼鉄製で、幅257m、奥行き162m、高さは108mあり総重量は3万6000トンとなっています。
内部では、放射線量や湿度などが厳しく管理されるほか、天井には、将来、原子炉を解体するのに必要な2基のクレーンも設置されていました。
日本円にして1800億円あまりにのぼる建設費用は、欧米諸国や日本など45か国が参加する基金によってまかなわれ、日本は100億円余りを拠出したということです。
シェルターによって、今後100年間は放射性物質の飛散を防ぐことが可能とされていますが、廃炉に向けた具体的な計画の見通しはたっていません。
シェルターの運用にあたる担当者は「廃炉に向けた第1段階をようやくクリアしたが、原子炉内部に残された燃料をいかにして取り出すかなど問題は依然として残っている」と懸念を示しました。
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