天と地の間

クライミングに関する記録です。

人形岩開拓

2016年05月01日 | 開拓
5月1日、なみさんが久しぶりに日曜日が休みというので比叡Ⅱ峰奥壁の人魚岩の開拓に誘った。彼女は九州ではクラックをする貴重な存在だ。彼女も開拓を楽しみにしてるようだ。後は天候。その天候が予報ではⅠ日は夏日になるという。
人魚岩は南面。その上、比叡では高い位置にあるために最後まで日が当たる。覚悟がいりそうだが、秋までには一度は行って、前回ボルトを打った箇所の可能性を探りたい。

10時前,久しぶりのクラックのため、いつもより多めにギアを持つ。それでも妙に緊張する。
やはり、定期的にクラックに行かなければと思うが、なかなかどうしてリードクライマーも少なくなっている九州の現状。
ましてはクラッカーとなると絶滅危惧種になりそうだ。そういう状況にあっては相手も簡単には見つからない。

1ピッチ登ると体も感覚も少しは戻ってきた。ホッとするのも束の間。重いホールバックを引き上げる。その後、セカンドがあっさりと上がってきた。セカンドとはいえ実にスピーディーだ。
2ピッチ目はクラックが真っ直ぐに伸び、ジャムがよく利く。ルート中、景色も見られ快適に登れる。だが、最後のトラバースが悪い。いや、悪くなった。前回、アンダーに使ったフレークが欠けて大ホールしたのである。その時の記憶が蘇り、入念にプロテクションをセットして終了点へ。


2ピッチ目。めったに来ないために来るたびに草木が生えている。

いよいよ核心の3ピッチ。核心部はクラックが途切れ、なおかつ唯一ナッツをセットでいる箇所をホールドとして使うため、前回、やむなくボルトを1箇所設置した。今日は最大の核心であるここを何としても攻略と思って来たが何度やってもホールドが遠く、しかもフットホールドが乏しいために解決できない。


核心部。フットホールドが乏しい。

そうこうするうち、暑さも相まって滑ってきた。荷揚げの疲れもあるのだろうか、いつになく力が入らない。
フレッシュなときならなんとかこなせるのではないかというムーブを探った時点で諦め今日は人口で越えることにした。
その上はどうかというと、うす被りのシンクラックでこれまたフットホールドが乏しく悪い。前回はフリーで越えたと思うが、今回はナッツをプロテクションに2度ほどホールした。


人形岩頭部。5m程の高さ。ここも簡単にはいかない。


どうも技術だけでなく、メンタル面もかなり落ちているようだ。
やっと肩にたどり着いたのが3時過ぎ。頭のフェース部分に後3本ボルトを打てば次回はボルトキットを持ち上げる必要がないと思ってきたが、疲れていてのグランドアップでは簡単には行かない。時間もない。日帰りでの開拓はなかなかすすまない。今日はここまでにしよう。
次回は秋だ。

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2 コメント

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Unknown (浦島太郎)
2016-05-19 18:15:20
久しぶりのブログの更新ですね。見のがしていました。
本当に本格的な登攀をする人が少ないですね。
自分達の時代からくらべれば驚くばかりです。

なぜこんな事になってしまったのか?その理由は、
おそらく、あこがれるような山や壁が自分の中に
見い出すことができないからでしょう。

ま、これも時代の流れと言うものでしょうか・・
どちらにしても、本格的なクライミングを伝える
ことが途絶えれば、これから生まれる若いクライマー
の人達は、自分で、また一からクライミングをまなば
なければなりません。

クライミングの技術は自分達で学ぶ事は出来ますが、
経験、と言うものは、すぐには身に付くものではあり
ません。
そして、最初の、経験、が怪我をしたりあるいは死を
招く事もあるのです。

今の若い人は、年寄りの話をあまり聞きませんが、
登攀のリスクを減らすのは、単にクライミングの
技術だけではなく、ベテランの、経験なんですけどね~

だからと言って、口うるさく、ああだ、こうだ、と
注意をすれば、敬遠されるだるだろうし・・・
なかなか、やっかいですね。

ま、どちらにしても、絶滅危惧種、なみさん、橋◯さん、
二人ともども、登れるまで、行き着く所まで、行っちゃって
下さい。

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Unknown (84)
2016-05-21 07:00:07
確かに昔のクライミングと比べれば隔世の感がありますね。
クライミング=ボルダー、人によればジムととらえている人も多いのが現実となっている今、同じジャンルで考えるのが無理でしょうね。
私もボルダーをしますが、ボルダーをする人とはボルダーのことしか話しません。
アルパインのことを話しても理解できないでしょうから。当然ですね。
一方、アルパインの方はどうかというと、すごい人たちが出てきています。ボルダーは2段3段、リードは14を登る人が。
彼らは今、宮崎の岩場に興味を持っているようです。当然の成り行きでしょう。
最後の秘境ですから。
九州の人から出てこないのが残念ですが。
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