ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

下町の風鈴の音に誘われて ~台東区立下町風俗資料館~

2019-07-31 | 公園・庭園・名所
ようやく夏らしい暑さになったか、と思ったところが、猛暑襲来です。
だからと言って、家にじっとしているわけにはいきません。

カメラを手に、ぶらっと上野に出かけてみました。
不忍池です。池一面に蓮の花が咲いています。
といっても、お昼近くになっていましたので、閉じている花が多かったです。
とてもきれいでした。しばし暑さを忘れて写真に収めました。



池のほとりに台東区立の「下町風俗資料館」があります。前回の下町探訪の続きとばかりに、入館してみました。



ここは、大正から昭和の中頃にかけての下町の風情・情緒が味わえる街並みが再現されている施設です。
平日でしたが、驚いたことにスペイン語・英語・中国語などが飛び交い、外国からの入館者が多い状況でした。
2階に展示されている玩具コーナーで、皆さんが昔の遊びに興じています。



パネルには、いつごろのものでしょうか、昔の長屋の写真が掲示されています。懐かしいです。一気にレトロの世界です。



さて、肝心の街並みです。手前は洗い張りのようです。
路地の向こうからは風鈴の音が聞こえてきます。



長屋の角には、たらい・洗濯板・井戸・ゴミ箱など。
子どものころ実際に使っていました。



長屋の角は、駄菓子屋です。下町と言えば駄菓子屋。子どもが群がるところでした。
酢昆布・麦こがし・くじ・線香花火ー。真剣に選びました。





路地の奥から小唄がー。粋ですね。お師匠さんはさぞかし艶っぽいだろうなと勝手に想像します。



その奥は「銅壺屋(どうこや)」の職人の家。べらんめいの江戸っ子の家でしょう。





路地に風鈴売りの屋台(三寸?)が置かれています。いい音色です。
下町には風鈴がよく似合います。



路地裏にはお便所。この吊り下げ型の手水器は、私も子どもの頃に使っていました。



銭湯です。番台です。体重計です。
「お母さんあがるよう! まだダメ、肩まで入って!」親子の会話が飛び交ったものです。



昭和の中頃の家の様子ですね。炊飯器・テレビ・黒電話・足踏み式のミシン・ラジオ・柱時計・ちゃぶ台。どれも懐かしいものばかりです。





下駄の花緒の製造問屋だそうです。こんなお店もあったんですね。



こうした下町の街並みは、大正12年9月に起きた関東大震災やその後の戦災でほとんど失われました。
特に大震災の記憶はほとんど忘れられているといっていいでしょう。





この惨状は、やがて少しづつ復興していきました。





今、不忍池と周囲のビルには震災の痕跡はありません。
どうかこの幸せがずーっと続きますように、願わずにはおれません。




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故郷を旅するように下町へ ~都電荒川線と三ノ輪商店街~

2019-07-14 | 散歩
このところ雨続き。それを口実にブログをお休みしていました。
そんな折、いつも元気なSさんから「ブログ素晴らしいですね」とのレターを頂戴して
しまいました。恐縮至極です。

ブログをサボってないでしっかりしてくださいとのお叱りかもしれません。
これはまずいです。
そこで、雨もちょっと中休みのといった感じの昨日、都電に乗ってぶらっとして
みました。

都電荒川線は沿線のバラで有名なスポットです。
特に荒川車庫駅あたりから終点の三ノ輪駅までの区間は、バラを多く見ることが
できます。
このバラは沿線住民の方々がボランティアで手入れをしているものなのだそうです。
盛りは過ぎているとはいえ、都電とバラ、なかなかの取り合わせではありませんか。



都電は初めてです。
乗車前は、子どもの頃のレトロな感じの車両を想像していましたが、思いのほか
洒落た感じの車両です。
5~6分おきにひっきりなしに電車がやってきます。利用者も多いんです。
チンチン(発車の際には本当にチンチン鳴らすんですよ)
ガタン・ゴトン。いいですねえ。

    

おそらく鉄道マニアの方も多いのでしょう。
カメラを構えた人があちらこちらで見られます。

終点の三ノ輪駅で、いい写真をとカメラを構えていたものの、あっという間に電車が到着。
ピントがあったのが次の2タイプで、実際にはいろいろなデザイン・色彩の電車がある
ようです。









三ノ輪駅では、早稲田駅行きの電車が折り返します。電車の前をいつものことですよと人が行き来しています。

   





終点の三ノ輪駅を降りたところに、都電の案内所があります。レトロな感じにつくってあるようです。



駅を出て左に行くと、「ジョイフル三ノ輪商店街」
昭和レトロの感じです。
花屋さん、お団子屋さん、お惣菜屋さん、八百屋さん、コーヒー店・・・。
ぶらっとするのにちょうどよい450㍍強のアーケード街。
子どものころを思い出します。







途中で路地を見やると、下町情緒たっぷりです。
故郷の懐かしい匂いがしてきました。





三ノ輪駅(降車場)に隣接した軽食のお店には、都電の模型が飾られていました。
まさに都電の街、三ノ輪という感じです。



停車場や車内での何気ない利用者同士の会話を聞いていると、都電は都民の交通機関というだけでなく、地域の交流の場になっているんですね。
東京再発見の一日でした。
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