中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

元宵節(Yuanxiaojie)

2007-03-10 10:37:30 | 中国のこと
 旧暦1月15日は中国の正月の最後の日、新年に入ってからの最初の満月の夜。この日は元宵節と言う祭で、家々や商店、街路などにも提灯などの灯火をつけて正月を送る。灯節とも言い、道教と仏教の混交行事と言う。この元宵節の賑わいを見るために上海を訪れた。

 中国国際航空を利用したが、やはり正月らしく壁面に縁起物の絵が貼ってあった。



 上海の旧い繁華街である豫園商場は、500年前の明代永楽年間に、町の守り神である城隍(chenghuang)を祭るために建立された老城隍廟の門前街として発展し、現在のような商場(マーケット)になってから100年以上になると言う。マーケットと言っても大きなビルなどはなく古風な感じでいい。普段でも多くの観光客などで賑わうが、春節のような時には特に人出が多く、とりわけ元宵節には何十万と言う人で賑わうようだ。今年の元宵節は、午前中は雨が降っていたが夕方にはあがったのでやはり人出は多かった。しかし最近は元宵節では臨時の入場券発売場を作って、普段のように自由に商場内には入れないようになっているし、その入場料が50元(約800円)とかなり高いから、そのせいか以前来た時よりも心持ち混雑はしていなかったように思う。

 商場の中は光が溢れて美しい。人々も買った灯篭を手に持ったり、頭に赤く光る角のようなものをつけて、楽しそうに行き交っている。昔は手作りの灯篭を持って街に出たそうだが、今と違って街にはネオンなどの明るい灯火はなく薄暗かっただろうし、灯篭も電池で光るものでなく蝋燭の光だっただろうから、情緒のある雰囲気だっただろうと想像する。

  「新年好」は「新年おめでとう」



  商店の飾りつけ









  レストランの飾りつけ



 商場の中央の辺りに広場があって、そこには毎年その年の干支の動物の大きな飾り物が作られる。今年は猪(ブタ)である。サル年にもトリ年にも来たが、サル年は孫悟空とその手下の猿どもの群れでダイナミックで面白かったし、トリ年は大きな鶏が勇ましく天を仰いで羽を拡げて鬨を上げていたが、それに比べると豚は耳や尾が動く程度でやや平凡な印象だった。豚にダイナミックな動きをさせるのはデザイン的に難しいのかもしれない。


  豚を取り囲む十二支の動物達