中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

孤独死

2008-01-12 09:16:01 | 身辺雑記
 新年早々に良い話ではないが、こんな記事を見た。

 都市再生機構が運営管理する賃貸住宅約77万戸(1806団地)で、「孤独死」が平成18年度に517人に上っていたことが分かった。平成11年度の死者数は207人で、7年間で約2.5倍となっている。独り暮らしで、誰にもみとられずに死亡する孤独死は社会問題となっており、厚生労働省は孤独死を防ごうと、今春から全国100カ所に「見守り役」を配置する新事業を始める。

 都市再生機構と言うのは「大都市や地方中心都市における市街地の整備改善や賃貸住宅の供給支援、UR賃貸住宅(旧公団住宅)の管理を主な目的とした独立行政法人」と言う組織で、この略称都市機構がまとめた結果で、調査からは自殺や他殺は除かれていて、単身者が誰にも気づかれないまま病死や変死をしたケースだ。

 18年度に孤独死した517人のうち、64%に上る331人が独りで暮らす65歳以上。新聞がたまっていることから近所の住民が管理事務所に通報する場合や、連絡が取れずに訪れた親類などが発見する場合が多かったようだ。この何年間で年々増加しているし、高齢者の割合も増加していると言う。これはこの機構が管理する賃貸住宅での高齢化が進んでいる実情も背景にあるようだ。

 このような話は独居生活の私にとって他人事ではない。実際つい近くのアパートでは、昨年60代の男性が孤独死した。夏のことで発見されたときには目も当てられない状態だったと聞いた。また以前同僚だった男性はこれも昨年、入浴中に急死し、後日家人が訪れて発見したそうで、これも目をそむけるような有様だったらしい。酒好きで若い頃から飲酒し泥酔して風呂に入って寝込んでしまったこともあったようだから、そういうことだったのかも知れない。

 私はできるだけ不慮の事態が起こらないように注意はしている。たとえば冬に入浴する時には下着のままで浴室に入り、しばらく浴槽の縁に腰をかけて足を湯に浸けて体を温めるようにしているし、階段の昇り降りは足を滑らせないように慎重にしている。最近では煮炊きした後ガスの火を消したら、指差して「消した」と声を出して確認することにした。滑稽なようでもあるが、とかく物忘れが多くなっているのでやれることはやっておかなければということだ。この正月にも餅をのどに詰めて亡くなった人が何人かあったようだが、そういうことにも注意しなければならない。酒は飲まないしタバコも吸わないから、そのほうの不始末で不慮の事態が起こることはないが、いろいろ細かいことで用心するに越したことはない。

 それでも脳や心臓の急変で倒れたら、これはもうどうしようもない。私の家の近辺では何軒かで生協の共同購入をしていて、その物品が配達されるのが毎週木曜日の朝。旅行する時などに留守中の面倒をよくしてもらっている近所の婦人には、もし木曜日に出てこなかったら、ここに電話してほしいと、長男の電話番号を渡しておいた。だが、一度だけ木曜日の朝早くから出かけることがあり、言い忘れたので後でちょっとした騒ぎになったようで、新聞受けを覗いたら新聞はなかったから多分大丈夫だろうと収まったらしく、後で話を聞いて恐縮した。

 息子たちも気には掛けてはいるらしいが、とにかく妻を失ってから10年このかた風邪ひとつ引かずに中国旅行などで飛び回っているから、つい安心してしまっているのだろうし、本人達は忙しいからめったに電話してこない。便りがないのは元気な証拠と言うことなのだろうが、独り住まいだからあるいは孤独死することもあるにしても、やはり何とか対策は立てておいたほうがいいのかも知れない。死ぬときは誰でも孤独だなどと粋がってもおれるまい。