中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

最京

2008-01-19 10:14:44 | 身辺雑記
 JRの車両に1枚の吊広告があった。広告の全面は美しい屏風か壁面かの前に和服姿の若い女性が立っている写真で、左上隅に「京の冬の旅×池坊由紀」、右下隅にやや大きな文字で「最京」とある。

 車内の壁面にやはり「最京」と書かれた小さな広告が2枚張ってあり、どれにも「京の冬の旅」とあるから、JRの京都の旅のキャンペーンらしい。しかし、どうも「最京」の意味が分からない。近寄って見ると1つには「最京の駅」とあり、京都駅の天井の鉄骨の幾何学的な構造の写真、もう1つは今公開されている知恩院の経蔵にある輪蔵の写真に大きな文字で「絡操」とある。小さな文字を読むと「絡操」は「からくり」と読むらしい。なるほど「絡む」と「繰る」で「からくり」か、また1つ勉強したと思った。
 
 見ているうちに、どうやら「最京」は京都の異称である「西京」と「最強」の掛詞らしいと気がついた。京都駅は最強の駅、知恩院の輪蔵は京都最強のからくりと言うことだろう。家で調べてみると、知恩院の輪蔵には6千巻の大蔵経が納めてあり、これを1回転させると大蔵経を暗誦するのと同じ功徳を積むと言われるとあるから、からくり仕掛けの経蔵のようだ。吊広告の方はJRの「京の冬の旅」で池坊会館にでも行けば最強の京都が見られると言うことか。何やら小さな字で書いてあったが読まなかった。

  「最京」の文字に引っ掛かってあれこれ考えさせられたが、それがこの広告の狙いだったのだろうか。広告というものはすとんと胸に落ちるようなものの方が好きだから、これは少しひねくり回し過ぎているような気がする。判じ物のようなものは性に合わない・・・などと思いながら、一度知恩院に行ってみようかなどと考えたから、「最京」の広告効果があったのかも知れない。